Subject   : 偏光顕微鏡

カテゴリー  : 学びの館 > 測定・分析 


 偏光顕微鏡
物体は内部構造や結晶構造によって、光の振動方向を変える偏光性を有する。この偏光性を観察する方法である。

光学顕微鏡のコンデンサーの場所にポラライザー(偏光板)を置き、対物レンズの後ろに遅延版とアナライザー(偏光板)を置き、試料の偏光性や複屈折性を明暗や色の違いとして観察する。偏光板の回転に応じて、結晶などは鮮やかな色で観察される。岩石などの結晶や、生物試料に含まれる結晶質の物質(細胞外マトリックスや異常沈着物のそれぞれ一部など)の観察に用られる。

偏光顕微鏡の欠点であるアナライザーの回転の煩わしさと、得られた画像データの解析処理の複雑さを簡便にするシステムとして、近年 LC-Polscope が発明された。これは電子的に制御できる偏光板と画像解析装置を組み合わせたもので、結晶構造の偏光方向(slow axis orientation)と偏光の強さ(retardation)が一度の観察で得られる。無染色、無侵襲で細胞骨格が観察できるため、人工授精させた家畜の受精卵の選別などに用いられている。

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 ⇒ 探針をプローブとする分析技術

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