Subject   : 内部統制(internal control)

カテゴリー : ビジネス


  内部統制(internal control)
 一般に企業などの組織内部において、違法行為や不正、ミスやエラーなどが行われることなく、組織が健全かつ有効・効率的に運営されるよう各業務で所定の基準や手続きを定め、それに基づいて管理・監視・保証を行うこと。そのための一連の仕組みを内部統制システムという。

 従来の内部統制は財務会計分野の視点からのみ語られ、財務報告の適正性確保を目的とする活動としてとらえられていた。しかし1990年代になると会計統制以外に、コンプライアンスや経営方針・業務ルールの遵守、経営および業務の有効性・効率性の向上、リスクマネジメントなどより広い範囲が対象となり、コーポレート・ガバナンスのための機能・役割という側面を強めている。

 そのきっかけとなったのが、米国トレッドウェイ委員会組織委員会(COSO)が1992〜94年に公表した報告書「Internal Control - Integrated Framework(内部統制−統合的枠組み:俗にCOSOレポートという)」で、この中で新しい内部統制のフレームワーク(COSOフレームワーク)が提唱された。

 米国ではエンロンやワールド・コムの粉飾決算/破たんを受けて、2002年に成立したサーベンス・オクスリー法で内部統制システムの構築・運用を経営者の義務、その監査・監査意見表明を外部監査人の義務としている。
 日本においても2006年5月から施行となった会社法では取締役/取締役会に内部統制システム構築の義務を課している。2005年8月には経済産業省が、「コーポレートガバナンス及びリスク管理・内部統制に関する開示・評価の枠組みについての指針」を公表。企業が自主的に内部統制システムの構築に取り組むための指針で、リクス管理の概念を盛り込んでいる。
 さらに金融庁が主導して、証券取引法の抜本改正となる金融商品取引法(日本版SOX法)が2006年6月に成立。2009年3月期の決算から、上場企業に内部統制報告書の提出・公認会計士によるチェックが義務付けられた。

■ COSOレポート
内部統制は、以下に分類される目的を達成するために、合理的な保証を提供することを意図した、取締役会、経営者およびそのほかの職員によって遂行される1つのプロセスである。

  ・ 業務の有効性・効率性
  ・ 財務諸表の信頼性
  ・ 関連法規の遵守

 そしてCOSOは、内部統制の構成要素として「統制環境」「リスクの評価」「統制活動」「情報と伝達」「監視活動」を5つを挙げ、これらを内部統制を評価する際の基準として位置付けている。

 ⇒ CSF(クリティカルサクセスファクター)

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