ソーシャル・マーケティング(Social Marketing):一口メモ

Subject   : ソーシャル・マーケティング(Social Marketing)

カテゴリー : ビジネス


 ソーシャル・マーケティング(Social Marketing)
 ニューロマーケティングは、1990年代に発展した脳スキャン技術を活用して、消費者の脳の反応を計測し、消費者心理や行動を解明しようとする研究領域です。脳の反応を測定しながら、消費者の思考や意思決定構造を解明し、マーケティングに活用しようとする研究領域。 脳神経科学とマーケティングを融合した研究領域で、欧米を中心に研究が進み、広告やブランドづくりで成果を上げ始めています。

 ソーシャル・マーケティングという言葉には、大きく2つの内容が含まれています。1つは、従来のマーケティングの発想を行政機関の運営や社会変革などに活用しようとするものです。

  もう1つは、企業が自社の利益や顧客だけを考えずに、社会全体の利益や福祉向上を意識して活動するという考え方であり、「社会公共志向」のマーケティングとも呼ばれます。

● 非営利組織の場合
 政府や地方自治体などの行政機関や学校、病院などの非営利組織に、マーケティングの考え方を導入しようとする動きが進んでいます。非営利組織の目的は社会全体の利益向上であり、その実現のためには生活者のニーズを把握して的確なサービスを提供する必要があります。
 非営利組織と企業とは目標が異なるため、従来のマーケティング手法がそのまま適用できるわけではありませんが、行政サービスの質の向上や効率化などの面で効果が期待されています。また、薬物乱用防止、児童虐待防止などの社会的キャンペーンの効果を上げるための技法としての期待も高まっています。

● 社会公共志向
 ソーシャル・マーケティングの発端は、1960年代に米国で生じたコンシューマリズム(消費者運動)といわれています。昨今の企業の社会的責任(CSR)に対する関心の高まりとともに注目を浴びています。
 「社会公共志向」のマーケティングは、従来の「企業と消費者(顧客)」の二者間に、社会、生活者という視点が加わっているのが特徴です。消費者の利便性だけを追求する「顧客志向」のマーケティングでは、商品の大量消費によって結果的に環境汚染を進行させたり、地域社会とのトラブルを誘発する可能性があります。そこで、企業活動が社会に大きな影響を与えるという視点の下、社会全体に有益な(悪い影響を与えない)商品・サービスを提供すべきとの考え方が広がってきました。
 CSRやコーポレート・ブランドへの注目はますます高まる傾向にあります。
 ⇒ CSR (corporate social responsibility)

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Subject   : デファクト・スタンダード(De Facto Standard)

カテゴリー : ビジネス


 デファクト・スタンダード(De Facto Standard)
公的な標準化機関からの認証ではなく、市場における企業間の競争によって、業界の標準として認められるようになった規格のこと。

 デファクト・スタンダードは、「事実上の標準」と訳されます。「De Facto」はラテン語で「事実上の」を意味します。

 一般的に、新規に立ち上がった市場で、複数の有力な規格が乱立する状況はしばしば見られます。しかし、市場競争が繰り広げられる中で、1つの規格に基づいた製品が市場の大勢を占めるようになります。この結果、勝ち残った規格は、公的な認証がないにもかかわらず、事実上、業界の標準として認められるようになります。このような規格をデファクト・スタンダードと呼びます。企業にとってデファクト・スタンダードを獲得することは、市場競争における勝利の結果ということができます。

 一方、ISOなどの公的な標準化機関で合議制により認証された規格は、デジュール・スタンダード(De Jure Standard)と呼ばれています。

 市場競争の結果、必ずしも技術的優位性のある規格が競争に勝利し、デファクト・スタンダードを獲得するとは限りません。規格を採用するメーカーやユーザーをいかに多く獲得するかが勝負のカギとなります。家庭用VTRにおけるVHSとベータ・マックスの争いがその好例です。
 最近は、複数の企業が連携して統一的な規格を策定する傾向にあります。これは、標準化機関による認証や市場競争の結果を待っていては、技術革新のスピードに追いつけないという背景があるためで、特に情報通信分野でその傾向が強まっています。これらをコンソーシアム標準やフォーラム標準と呼んで区別する場合もあります。


 ⇒ 標準化団体

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