Subject   : 水晶発振器(Crystal oscillator)

カテゴリー : デバイス > センサ


 水晶発振器(Crystal oscillator)
 水晶発振器とは、水晶発振子を使用して発振周波数を制御する発振回路のことである。

水晶発振器の振動周波数は、そこに組み込まれた水晶振動子の振動周波数によって決定される。一般的に水晶発振子は温度変化に対する安定性が非常に高いため、安定した発振回路を構成することができる。

水晶発振器は、回路構成などによってSPXO、TCXO、VCXO、OCXOなどに分類される。携帯電話をはじめとした通信機器の発振回路として多く利用されている。

 ○ TCXO (Temperature Compensated X'tal Oscillator)
 TCXOは温度補償型水晶発振器で、水晶振動子の持つ温度特性と正反対の回路特性を組み合わせる事により、水晶振動子単体よりも遥かに高い安定度の信号を出力します。近年では回路がIC化されることにより、大きさも水晶振動子と殆ど変わらないほど小さくなっています。TCXOは身近なところでは、携帯電話の多くに使われています。

 ○ VCXO (Voltage Controlled X'tal Oscillator)
 VCXOは発振器の出力周波数を外部から加える電圧でコントロールできるものです。PLL回路によく使われ、通信の中継装置や様々な産業機器の中で使われます。

 ○ OCXO (Oven Controlled X'tal Oscillator)
 OCXOは水晶発振器で最も高精度な品種であるため、高安定発振器と呼ばれることもあります。水晶振動子の温度特性が一直線でなく、温度に対して弧を描くことを利用して高温域で温度傾斜がゼロになる水晶振動子を用い、ヒーターで水晶振動子をその温度に一定に保つものです。他の水晶発振器に比べて消費電流が大きくなるため、携帯電話の基地局や放送機器、測定器などに使われています。
 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]