Subject   : 非冷却ボロメータ赤外線センサ (Bolometer Uncooled Infrared Sensor )

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 非冷却ボロメータアレイ検出器
HgCdTe、InSb、GaAs、InGaAs等の半導体赤外検出器は通常、感度を上げるために冷却装置を必要とする。冷却装置は要求温度差によってペルチエ素子からジュール・トムソン冷却器、ヘリウム冷凍機等いくつか種類があるが、多かれ少なかれ電力、重量、スペース、コストというリソースを要求する。

一方、UMADは冷却装置が不要なため、小型、軽量、低消費電力、低コストという大きな利点がある。また冷凍機から生じる振動の悪影響もない。UMADは軍事用途から発展してきたが、この10年で一般用途に赤外カメラとして市販されるようになってきた。消火活動、夜間自動車運転補助、被災・遭難者の捜索、不審者の監視等に利用されている。

UMADは現在も開発が続けられて、年々性能が向上している。各メーカーが開発したUMADの性能比較を表2に載せた。ボロメータ材質としては酸化バナジウムが一般的であるが、アモルファスシリコンを使った物もある。素子数は増加の方向と素子サイズは縮小の方向に開発が進んでいる。雑音と等価になる温度差(NETD)は一世代前素子では数十mKであったものが、10mK台の素子も出現してきている。

ボロメータ膜の材料としてはVOx以外にPoly-Si2,a-Si,a-Ge を用いたものや,金属であるTi を用いたものも報告されている。

 ○ 非冷却マイクロボロメータ(VOx:酸化バナジウム)
8〜14μm
 ⇒ 赤外線センサ(infrared ray sensor)

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