Subject   : 南宋(960〜1279)

カテゴリー  : 歴史  > 


 南宋
中国の王朝(960〜1279)。開封(かいほう)を都とした北宋(960〜1127)と臨安(りんあん)(杭州(こうしゅう))を都とした南宋(1127〜1279)をあわせてさし、300余年続いた。南朝の宋(劉宋(りゅうそう))と区別して趙宋(ちょうそう)ともいう。

中国2000余年の中華帝国期を文化、社会、経済のうえでくぎるとき、普通、唐末から宋の時代(9〜13世紀)を唐・宋変革期といい、あるいは中期中華帝国の始源をなす中世革命期と考える。この区分の指標は、官僚制機構の刷新、社会経済や技術の変革、文化の新鮮さにあり、中華帝国という文化伝統の枠内での断絶と革新に着目する。そして宋型の国家、社会経済、文化が、元(げん)、清(しん)という異民族支配を被りながらも、以後1000年近く続いたことを重視する。一方、東アジア史でも、唐の世界帝国が滅びたあと、民族自立化の動きが盛んとなり、日本では平安から鎌倉初期の武士政権が、朝鮮半島では軍事色の強い高麗(こうらい)朝が、ベトナムでは初めて中華世界から独立した呉(ご)朝、李(り)朝が生まれた。北方では遼(りょう)、西夏(せいか)、金(きん)、モンゴルが興り、いずれも外交、政治で中国との対等を求め、国字や固有文化を育て始めた。



<出典: 日本大百科全書(小学館) >
 ⇒ 世界史年表

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