Subject   : 孟子

カテゴリー  : 人文 >  


 孟子
 『孟子』は儒教の思想家・哲学者である孟子の逸話・問答の集成である。歴史は紀元前4世紀後半まで遡る。[1]儒教の古典として位置づけられ、宋朝時代に重んじられた。一般に新儒学の創始者とされる学者の朱熹は、『孟子』を儒教正典の四書に含め、後に『孟子』は新儒学の正典のひとつとなった。

中国の歴史を通して、『孟子』の著者が誰であるかについていくつかの異なる見解があった。漢朝の著名な歴史家である司馬遷は、孟子は自分の弟子である公孫丑・萬章と共に書き上げたものであるとしており、朱熹、趙起、そして清朝の儒教学者である焦循らは、孟子が他の学者は一切参加せずに自分一人で書き上げたとしている。唐朝の作家の韓愈と孫?は12世紀の学者である晁公武と同様に、孟子の死後公孫丑と萬章が自身の記録や記憶を基にして『孟子』を著したとしている。あらゆる中国古典と同様、『孟子』は歴史を通じて何度も注釈を付けられているが、趙起・朱熹・焦循による注釈は最も権威があると考えられている。

『孟子』は元々漢文の偉大な作品群の中で秀でた位置ではなく、また漢書の秀でた本・古典のリストの中でも『孟子』は種々雑多な小さな作品のひとつでしかなかった。漢文帝は『選集』・『孝經』・『爾雅』と共に『孟子』を公式に「優れた学者の教え・記録」の一つとし、叡感した。五代十国の間後蜀の皇帝である孟昶は、石碑の上に漢文の作品を彫る計画に孟子を含めた。これは真の漢文の範疇への初期の入り口を示していると言える。孝宗の統治時代、朱熹は公式に、すべての学生が学ぶべき漢文として四書への追加を宣言した。四書は『孟子』・『論語』・『中庸』・『大学』から成る。明朝・清朝まで、『孟子』は科挙の素養試験の一部であった。


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