Subject   : 活断層(active fault)

カテゴリー  : その他  


 活断層(active fault)
新生代第四紀後期以降に地震を起こし、今後も活動を継続すると考えられる断層を、特に活断層(active fault)と呼ぶ。活断層では地震が過去に繰り返し発生しており、また今後も地震が発生すると考えられている。
活断層の調査は、航空写真の判読、地形分類図の作成、現地での測量や地形観察、トレンチ調査、弾性波探査、ボーリング調査、広域テフラの同定(鍵層)や放射年代測定(特に放射性炭素年代測定)などの方法によって行われる。

活断層は、長期間連続的に動き続けるのではなく、ある一定の周期で瞬間的に動き、他の期間はあまり目立った活動をしないものが多い。活動周期と1回に動く大きさは、おのおの断層固有の特徴がある。活動周期は、海洋プレート沈み込み地帯やトランスフォーム断層では100年前後、内陸の断層では数百年〜数十万年。ごく稀に、常時ずるずると滑りつづけ大きな地震を起こさない活断層がある(サンアンドレアス断層の一部など)。

● 日本の活断層
プレートテクトニクスによれば、日本列島は、 関東・東北地方の沖の日本海溝で太平洋プレートが北アメリカプレートの 下に沈み込む際に東西方向の強い圧縮力を受けている。 東北から近畿にかけての断層の多くは、この応力を受けて生成された逆断層や横ずれ断層である。逆断層は南北方向のものが多く、山々を隆起させる。火山以外の山地の多くは逆断層によって形成されたものである。横ずれ断層は東北-西南方向と西北-東南方向の2方向に向くものが多い。ほとんどの断層は横にずれると同時に上下にも動いている(斜めずれ)。また南海トラフではフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいる。

● 代表的な活断層の例
平均変位速度が10m/1000年以上のものを、AA級活断層、 平均変位速度が1m/1000年以上10m/1000年未満のものを、A級活断層、 平均変位速度が10cm/1000年以上1m/1000年未満のものを、B級活断層、 平均変位速度が10cm/1000年以下のものを、C級活断層といいます。
活断層 メモ
AA級 南海トラフ断層 南海地震
千島海溝断層 十勝沖地震、日高沖等多数
サンアンドレアス断層 サンフランシスコ地震
A級 丹那断層帯 北伊豆地震(丹那トンネル):静岡県
根尾谷断層 濃尾地震:岐阜県
阿寺断層帯 岐阜県
跡津川断層 岐阜県
北由利断層帯 秋田県
国府津-松田-神縄断層帯 神奈川県
富士川河口断層帯 静岡県
糸魚川-静岡構造線活断層系 長野県
信濃川断層帯 善光寺地震:長野県
伊那谷断層帯 長野県
四国の中央構造線 徳島県、愛媛県
B級 六甲-淡路断層帯 野島断層(兵庫県南部地震):兵庫県
石廊崎断層 (伊豆半島沖地震):静岡県
福島盆地西縁断層帯 (白石地震):福島県
立川断層 東京都
長町-利府線 宮城県
有馬-高槻断層帯 兵庫県〜大阪府
長町-利府線 宮城県
山崎断層 兵庫県
別府-万年山断層帯 日本では珍しい正断層:大分県
  ⇒ マグニチュードと震度
  ⇒ 地震の震度と被害程度

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]