Subject   : 震源と震央

カテゴリー  : その他  


 震源と震央
 地震は断層面の破壊が進行によって発生し、破壊が最初に始まる点を震源といいます。

 破壊の進行は2km/s(1秒間に2キロメートル)程度の速度で進行するのに対して破壊に伴って発生する地震波はその3倍程度の速度で伝播するため、ある地点に到達する最初の地震動は震源から発射された震動になります。続いて断層の破壊が進行するにつれて地震動の発生域は拡大し移動するので、ある地点では震源から移動した地点で発生した波が次々と到着することになります。
 震源は断層の破壊の開始点であり、地震の発生域を代表する点ではありません。地震発生域は断層に注目すると断層面となりますが、蓄積していたひずみが地震によって開放されてことに注目するとひずみの蓄積域は余震域とほぼ同じと考えられ、主な断層面を含んだ三次元の空間ということになります。震源が点であるのに対して地震の広がりを示す用語に震源域があります。震源域は地震を引き起こすひずみの蓄積領域であり、断層の破壊は震源域の隅から始まることが多いので、震源域の端に震源があることが多くなります。  

 震源の直上の地表面を震央といいます。地球全体で考えると、地球の中心と震源を結んだ線が地表と交わる点であり、通常の地図のような平面図では震源の位置を震央で表すことになります。  地図上に記入された震央は地震の中心点ではなく破壊の開始点(最初の発震点)であり、ある意味では便宜上の点です。特に大地震の場合、震源域の広がりや断層の伸長方向および震源の深さなどを考えると震央だけでは地震に対する誤ったイメージを抱くことがあります。

 地震を起こした断層面の中で、地震動を最も放出した部分を指す言葉に「セントロイド」があります。セントロイドは重心の位置を意味し、断層が最も大きく動いた部分に相当します。
  ⇒ マグニチュードと震度
  ⇒ 地震の震度と被害程度

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]