Subject  : 食物アレルギーと間違われやすい症例

カテゴリー: 健康・医療情報 


 食物アレルギーと間違われやすい症例
「食物アレルギー」とは、食物を食べておこる異常な反応のうち、 免疫学的なしくみ (アレルギー反応:抗原抗体反応)で生じたもの に限って呼んでいます。特定の人だけにおこりますので、食中毒など とは異なります。他にも間違われやすい症例として、食物不耐症、 食物生理反応、食物代謝反応などがあります。

● 食物毒、食中毒
ある種の食物中に含まれる毒物(ふぐ毒、毒きのこなど)、あるいは食物に微生物などが付着して生じた毒素が、直接作用して下痢や中毒をおこします。  また、古くなった赤身の魚(まぐろ、さんま、かつお、あじ、さばなど)を食べて、アレルギー様食中毒をおこすことがあります。これは赤身の魚に多く含まれるヒスチジンという化学物質が、酵素の作用で ヒスタミンに変わり、このヒスタミンが人によってはアレルギーに似た症状(じんま疹)をおこすことがあります。

● 食物不耐症
ある種の食物を消化するのに必要な物質が、体質的に欠けたりしているために、異常な反応がおこるものをいいます。たとえば、生まれつき乳糖(ラクトース)分解酵素が少ないために、牛乳を飲むと十分に消化できずに下痢をおこす乳糖不耐症などが、この例です。アレルギーとは 違います。

● 食物代謝反応
食物が体内に吸収されたあと、その食物が産生する物質に対して反応するもの。糖尿病の食事療法で低血糖症状をきたしたものなどがその例です。

● 食物生理反応
もともとその食品中に含まれているが、添加された化学物質が示す作用です。チョコレートやチーズに含まれるアミン類による片頭痛、茶やコーヒーに含まれるカフェインによる不眠など。また、あくの強い野菜に含まれるヒスタミンなどの化学物質によるぜんそく発作がその例です。
 そのほか、食品添加物のなかでは、メタビスルファイトなどの保存料、キャンデーや清涼飲料などの黄色着色料のタートラジンが、ぜんそく発作やじんま疹をおこすことが知られています。
化学調味料のグルタミン酸ナトリウムで起こる胃腸炎、チャイニーズレストラン症候群などもあります。
 ⇒ 食物アレルギー

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