Subject  : 脳血管性痴呆(多発脳梗塞性痴呆)

カテゴリー: 健康・医療情報 > 


 脳血管性痴呆(多発脳梗塞性痴呆)
脳血管性痴呆(多発脳梗塞性痴呆)は、脳卒中による脳組織の破壊がもたらす精神機能障害で、少数の大きな梗塞によるものも、多数の小さな梗塞によるものもあります。

脳卒中の発作が何度も起こると脳血管性痴呆になることがあります。脳卒中は男性に多く、通常は70歳以降に始まります。脳血管性痴呆の危険因子には、高血圧と糖尿病があり、どちらも脳の血管を傷つけます。喫煙や以前の喫煙経験も危険因子になります。 脳卒中では、脳への血流が遮断され脳組織が徐々に破壊されます。破壊された場所は梗塞と呼ばれます。小さな脳卒中発作では、急激な筋力低下はほとんど起らず、大規模な脳卒中にみられる麻痺(まひ)もめったに起こりません。
アルツハイマー病による痴呆と異なり、脳血管性 痴呆は段階的に進行していきます。 突然悪化しますがその後はいくぶん改善し、再び悪化するのは、数カ月から数年後にもう一度脳卒中が起こったときだけです。

 【症状】
記憶喪失、簡単な作業が行えない、徘徊を繰り返すなどの症状は、他の痴呆とほぼ同じですが、判断力と人格障害はアルツハイマー病の人ほど悪くなりません。症状は、破壊された脳の場所によって異なります。通常なら精神機能のいくつかは障害されませんが、脳卒中は脳の組織を部分的にしか破壊しないためです。
小さな卒中による神経学的徴候が見つかれば、脳血管性痴呆を確定する手がかりになります。これらの徴候には、視野が欠ける、話し方が遅く不明瞭になる、片方の脚に筋力低下もしくは麻痺がある、歩行困難などがあります。

 【治療】
糖尿病と高血圧をうまく治療すれば、脳血管性痴呆の予防や、進行を遅くしたり進行を止めるのに役立ちます。禁煙も推奨されています。
脳血管性痴呆に特有の治療法はありません。脳梗塞を起こした人には、それ以上の再発を防止するために、血液を固まりにくくする抗凝固薬が投与されることがあります。ワルファリンは強力な抗凝固薬で、不整脈のある人などに与えられます。不整脈があると心臓で発生した血のかたまりが脳へ移動し脳梗塞を引き起こすリスクが高いためです。アスピリンは、脳の血管が狭まって起こる脳梗塞に有効です。
 ⇒ 老人ぼけ・痴呆・アルツハイマー病

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]