Subject   : 癌の主な合併症

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 癌の主な合併症
癌の症状が生じる原因としては、癌の増殖と浸潤による組織への刺激や破壊、癌による他の組織への圧迫、癌がつくる毒性物質の作用、本来は他の身体機能に必要なエネルギーや栄養分を癌が消費してしまうことなどが挙げられます。癌が転移すると、最初にできた原発部位で増殖していたときにみられた一連の症状とは違った、別の症状が現れることがあります。
癌が増殖し全身各所に広がると、さまざまな合併症が出てきます。中には緊急治療が必要となる重大な合併症もあります。腫瘍随伴症候群と呼ばれる一連の合併症は、癌が生成した物質が全身に広がって起こるものです。

癌の主な合併症 メモ
心タンポナーデ 心臓を包む袋状の膜(心膜)の内側にある液体の量が増加した状態。この液体が心臓を圧迫し、血液の送り出しを妨げる。癌が心膜に浸潤するとその刺激で液体が貯留する場合がある。心膜に浸潤する癌は肺癌、乳癌、リンパ腫など
胸水 肺を包む袋状の膜(胸膜)に液体が貯留した状態で、息切れを起こす
上大静脈症候群 体の上部から心臓に向かう静脈(上大静脈)の血液の流れが、癌によって部分的にまたは完全に妨げられた状態。上大静脈がふさがれると胸の上部と首の静脈がふくれ上がり、顔、首、胸の上部の腫れを生じる
脊髄圧迫 癌が脊髄や脊髄神経を圧迫している状態で、痛みと機能不全が生じる。脊髄や脊髄神経の圧迫が長く続くと、圧迫がなくなった後も正常な神経機能の回復が困難になる
脳の機能障害 癌が脳の内部で増殖した結果、脳の機能が異常になった状態。脳腫瘍が原因の場合もあるが、多くは別の部位から転移した癌によって起こる。錯乱、鎮静、動揺、頭痛、視野異常、感覚異常、脱力感、吐き気、嘔吐、発作といったさまざまな症状がみられる


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