Subject  : 硫黄酸化物(sulfur oxides)

カテゴリー : 環境、エネルギー 


 硫黄酸化物(sulfur oxides)
 化学上では硫黄と酸素が結合した“酸化硫黄”(SO、S2O3、SO2、S2O7、SO4など)をいうが、エネルギーや公害関係では硫黄を含んだ化学燃料の燃焼により生成する。

二酸化硫黄(SO2、亜硫酸ガス)、三酸化硫黄(SO3、無水硫酸)および大気中に放出されたSO3がH2Oと反応して生成する硫酸ミストの三つを総称して硫黄酸化物SOxと呼んでいる。SOxの大部分は二酸化硫黄SO2であるので関係法令の一部では二酸化硫黄のことを“硫黄酸化物”と称している。化石燃料中、石炭では硫黄の一部は不燃性硫黄として石炭灰中に硫酸塩の形で残留するが、液体燃料、気体燃料では含まれる硫黄はすべてSO2、SO3となり、燃焼排ガスとして大気中に放出され、大気汚染の主因となる。すなわち、S+O2→SO2、このSO2の1〜4%が燃焼装置内で酸化されSO3となり、SO3がさらに燃焼ガス中の水蒸気H2Oと結合してH2SO4(硫酸ミスト)となる。大気汚染防止法によりばい煙発生施設からのSOx排出基準は次式により規制される。
    q=K×10-3He2
qはSOxの量で0℃、1気圧(101325Pa)の状態に換算したm3/hで示す。Kは地域ごとに定められた値、Heは排出口の高さ(m)である。SOxの排出量を減少させ、防止するには、脱硫燃料や低硫黄燃料の使用または排煙脱硫を行うことである。なお、硫黄酸化物の環境基準は1時間値の1日平均値が0.04ppm以下であり、かつ1時間値が0.1ppmである。

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 ⇒ バイオマス

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