Subject  : 日本料理の出汁(だし)

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 日本料理の出汁(だし)
日本料理において、出汁(だし)は最も基本的で重要な材料のひとつです。

日本料理では主にコンブ・鰹節・鯵節・煮干し(いりこ)・あご・焼き干しなどを煮て作るほか、干し椎茸などの乾物を水に浸して徐々に成分を抽出する方法が用いられます。

代表的には鰹節を削ったものから抽出したものを出汁と称する場合が多いです。
鶏肉やスッポン、ウミガメを使うことも稀にあります。
精進料理においては、コンブ、椎茸の他に、大豆、モヤシ、六条豆腐(塩蔵した乾燥豆腐)なども用いられる(西洋料理でいうフォンやブイヨン、中国料理でいう湯(タン)にあたるが、それらの料理では素材を長く煮詰めることが多い)。日本料理の出汁は、しばしば短時間で素材の風味を抽出し利用することが多く、特徴的である。

出汁は上記の汁物のほか、おでんなどの鍋料理に用いる。また酢などを割って二杯酢・三杯酢を作り、あるいは和え物の和え衣に少量を加えることもある。
なお、讃岐うどんにおいて「出汁」と表記する場合は、上記の意味ではなくうどん用のつゆそのものを指す場合が多い。また香川県ではつゆの作成のために出汁の成分をそのまま醤油に抽出させただし醤油というものが、よく家庭に置かれている。

沖縄料理では、鰹出汁と昆布出汁の他、豚の三枚肉を茹でた茹で汁を濾して豚出汁としてよく用いる。

● 一番出汁(いちばんだし)
鰹節で出汁を取る際には、削った鰹節を投入してすぐ火をとめ鰹節が沈むのを待って漉(こ)して取る一番出汁という。
鰹節は、イノシン酸を豊富に含み、昆布と合わせて取った出汁を「一番だし」と呼び、繊細な日本料理の味の骨格として使われています。

● 二番出汁
一番出汁を取った後の鰹節に再び水を入れ、火にかけて取る出汁を二番出汁(にばんだし)という。一番出汁は澄まし汁、二番出汁は味噌汁や煮物に用いる。

● 昆布
日本料理に欠かせない天然だしの素材の一つです。グルタミン酸を豊富に含み、あっさりした味わいながら深いうま味を秘めた海藻です。

● 八方だし
八方だしは、だし汁にしょうゆ、みりん、酒、塩などを加えて味をととのえただしのことです。八方だしは、調理法や用いる材料によって、だし汁と調味料の配合は様々です。
煮汁、そばつゆ、鍋物、など、どんな材料にでも合うので、八方だしの八方という名がついたと言われています。

● 差し鰹・追い鰹
差し鰹・追い鰹は、野菜や煮物などを作るときに、八方だしにかつお節を加えて煮て、かつお節のうま味を加えることを言います。
差し鰹をすると、香りの良い、うま味のあるだしが出来上がります。

■ 「和」のだし汁
昆布を水から入れ、沸騰する直前に引き上げたら かつお節を投入。ひと煮立ちさせたら火を止めて少し寝かせること。特に気をつけるように言われたのが「ダシを取るときには決してぐらぐらと煮立たせないこと」。
「和」のだし汁をぐらぐらと沸騰させてしまうと、かつおからは魚のえぐみが出て、昆布からはぬめりと海藻の臭みが出てしまいます。

■ 簡易的な出汁
近年では、上記の方法で出汁を取ることが長時間かかる作業であるという理由から、科学的に旨味成分だけを取り出したものが広まっている。大きく分けて2種類あり、液体、固体に分けられる。多くはうま味調味料と呼ばれる。
各種の液状の出汁が、瓶・袋入りで市販されている。多くは濃縮液となっており、使用時に水を加えて薄める必要がある。うどん・汁物・鍋物用の白だし、煮物用の朱だしなどが市販されている。
固形出汁とは、 水分を飛ばして粉末や固形に加工した出汁である。カツオの旨味成分であるイノシン酸のみを取り出し、食塩を加えて粉末状にしたものなどが有名。市販の製品としては味の素の「ほんだし」などのカツオ風味や、鶏がらスープ、ブイヨン、コンソメなどの種類がある(総称的に『味の素』と呼ばれることが多いが、この名は登録商標である。また、本来の味の素はイノシン酸ではなく、グルタミン酸製剤を調味したものである。
出汁パックとは、鰹節、コンブなどの材料を紙などの袋に入れ、熱湯に入れて出汁を取るもの。
 ⇒ その他の調味料、だし


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