Subject  : 放射線の種類と特徴

カテゴリー: 学びの館


 放射線の種類と特徴
放射線にはたくさんの種類がある。良く知られている放射線としてα線、β線、γ線、X線、中性子線などがある。
● α線
ヘリウム(He)の原子核のことを指します。 α線はウランのような大きな、重たい原子核から放出されます。 放出されたα線は+の電荷を持っている以外は普通のヘリウムと変わりません。 ヘリウムは2個の陽子と2個の中性子からできているので、 原子番号が2であり、質量数は4です。ですからα線を放出することに よって、親の原子核は原子番号が2少なく、質量数が4少ない別の 原子核になります。例えば原子番号92、質量数238のウランは、 α線を放出すると、 原子番号90、質量数234のトリウムになります。
● β線
原子核から放出される電子のことを指します。普通の電子はーの電荷を もっていますが、中には+の電荷を持った陽電子(ポジトロン)と 呼ばれる変わった電子があります。 β線のなかにも普通の電子と陽電子とがあります。 電荷が+とーの反対であること以外はまったく同じ電子です。
● γ線
原子核から放出される電磁波である。人間の目に見える可視光も 電磁波の一種です。 両者の違いは、γ線は可視光よりも高いエネルギーを持っている点です。
● X線
原子から出て来る電磁波である。高エネルギーの電子が原子核の 近くを通過すると、電子は原子核へ引き寄せられて向きを変えるときに エネルギーの一部をX線として放出してスピードが遅くなります。 ーの電荷を持っている電子が+の電荷を持っている原子核の近くを通ると、電気力が働き、軽い電子は原子核へ引き付けられるためです。 これは、自動車のブレーキを踏むと、車のスピードが落ちて止まるが、 タイヤは熱で熱くなることに例えられます。 スピードを落とすことを、制動をかけるといいますが、このX線のことを 制動X線ともいいます。
出て来るX線のエネルギーが連続的に分布するため、連続X線になります。 X線には、原子がエネルギーの高い状態から低い状態へ移動するときに、 持っているエネルギーの一部をX線として放出する場合もあります。 このX線の特徴は、X線のエネルギーが原子に固有な一定の値を持っていることであり、特性X線と呼ばれる。 γ線と同様に電磁波である、X線とγ線の違いは、発生して来る場所が、原子なのか、原子核なのかの違いがある。もう一つの違いは、γ線は原子核に固有の一定のエネルギーを持っているが、X線にはエネルギーが連続的に分布する連続X線と、原子に固有の一定のエネルギーを持っている特性X線との2種類あることである。
● 中性子線
中性子は原子核を構成している粒子の一つであり、電荷を持っていない。この中性子が原子核から放出されると中性子線になる。
 ⇒ 主な放射性物質の半減期

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