Subject   : 脂肪酸

カテゴリー  : 学びの館 > 生物 > 栄養


 脂肪酸
脂肪や油にはいろんな種類があります。人間にとっては大切な エネルギー源です。 脂肪は植物や動物の体には脂肪酸と呼ばれる形で蓄えられています。

油と脂肪の違 いは,それを構成する脂肪酸の違いである。これには, @二重結合の数,  A炭素数 の違いが反映される。 油脂やリン脂質,糖脂質を構成する脂肪酸は、次のような特徴をもっています。
・炭素数は通常、偶数である、
・二重結合(>C=C<)をもつもの(不飽和脂肪酸)もある、
・枝分かれや環状構造のものはほとんどない,
・二重結合はシス型である。
・炭素数は12-20が多く、二重結合が多いほど融点は低い。

脂肪は炭素、水素、酸素でできた化合物です。これらの元素が鎖のようにつながってできています。水素原子が最大数で詰まっている(飽和している)脂肪酸を 飽和脂肪酸、 水素原子が足りなくて、二重結合や三重結合を含む脂肪酸を 不飽和脂肪酸といいます。 脂肪には一般に3つのタイプの脂肪酸が混ざっています。飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3つです。
分類 コメント
一価不飽和脂肪酸 水素原子のペアがひとつ失われている形の脂肪酸です。 常温では液体です。オリーブオイルやサフラワー油に多く含まれています。 (オレイン酸)
多価不飽和脂肪酸 水素原子のペアが2つ以上失われている形の脂肪酸です。 室温では柔らかい状態になっているか、液体状になっています。 大豆油、ひまわり油などに多く含まれています。魚の脂肪は主に多価不飽和脂肪酸 です。
飽和脂肪酸 すべての水素原子が互いに結合している(飽和している)形の脂肪酸です。 動物性脂肪は飽和脂肪酸が多く、肉、鶏、バターなどに多く含まれています。 常温で固まっています。パーム核油、ココナッツ油は飽和脂肪酸が多い

● 多価不飽和脂肪酸
多価不飽和脂肪酸には発育や成長に必要であるといわれています。
多価不飽和脂肪酸の代表的な存在に、 DHA(ドコサヘキサエン酸) があります。DHAは胎児や育児の発達にとってとても大切な脂肪酸であるといわれています。 DHAが不足すると、記憶力の低下や発育不全などがもたらされます。
ところが、あまり多価不飽和脂肪酸をとりすぎると、かえって健康によくないといわれています。多価不飽和脂肪酸は、過剰に摂取すると、体内で過酸化物を生成し、動脈硬化を引き起こしたり、悪性腫瘍の原因になる可能性もあることを否定できません。
しかし、どの脂肪酸も何らかの形で私たちの健康に大切な働きをしています。 ですから、特定の脂肪酸に偏ることなく、バランス良く摂取することが大切です。 飽和脂肪酸、一価脂肪酸、多価脂肪酸を3:4:3に近づくように採るのが 良いようです。(第六次改訂日本人の栄養所要量)。
 ⇒ 脂質

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