Subject   : ムコ多糖(プロテオグリカン)

カテゴリー  : 学びの館 > 生化学 


 ムコ多糖(プロテオグリカン)
関節軟骨中の成分です。 ムコ多糖とは、アミノ酸を含む多糖の総称で動物性粘性物質の事をさします。  グリコサミノグリカンが、糖鎖として、コア蛋白(core protein)に共有結合した分子は、プロテオグリカンと呼ばれる(糖蛋白の一種)。
 主なムコ多糖にはヒアルロン酸とコンドロイチンがあり、細胞と 繊維成分の間を埋めている糖分(結合組織の基質成分)として広く 生体内に分布しています。  加齢に伴って質・量共に著しく変動し、老化やそれに伴う疾病に 深く関係しています。
その他にも、グルコサミンペクチンなどがあります。
● ヒアルロン酸
 ムコ多糖の一種で、もともと関節内にある物質。  関節のすべりをよくし、損傷した関節軟骨を修復する働きがあると 云われています。
 ヒアルロン酸タンパク複合体は、関節潤滑液(滑液)の主成分を なしています。  体内の至る所に存在し、ミネラル、アミノ酸、ビタミンなどを細胞の奥まで浸透させる働きがあります。
 ヒアルロン酸ナトリウムは、注射剤として、変形性膝関節症に 使われることがあります。
ヒアルロン酸は体内のすべての結合組織に存在して、保水量はヒアルロン酸1gで6リットルもの力があることから、肌のみずみずしさを保ち、うるおいやハリをもたらします。
 また、細胞の隙間を埋めて皮膚に潤いを与えたり、目の透明度を保ったりもします。  赤ちゃんから20歳頃までのヒアルロン酸保有率を100%とすると、30歳で65%、50歳で45%、60歳で25%と年々減少していくと言われています。 関係しています。
● コンドロイチン
コンドロイチンは、動物の粘質性分泌液から得られた多糖の一種です。 コンドロイチンはたんばく質と結合した状態(ムコ多糖・たんばく複合体)で存在しており、 人体ではコラーゲンとともに軟骨、骨、角膜、水晶体、血管壁、皮膚などの 結合組織を構成しています。
コンドロイチンは特に関節軟骨の約27〜43%を占めており、全身の関節が柔軟にスムーズに動くための重要な働きをします。さらにコンドロイチンは、組織に保水性や弾力性を与えるため、肌や皮膚のみずみずしさを保ったり、活性化したりするのに不可欠だともいわれています。また年齢とともに減少していくため、外からの補充が必要となります。
 軟骨中では、塩酸塩として存在しています。  また、細胞の間にある物質でもあり、これが不足すると水分が細胞に入っていかなくなり、血液からも栄養が運ばれなくなり、周辺の細胞の活性は低下して老化が加速されます。
コンドロイチンの供給源としてはフカヒレ、ツバメの巣、スッポン、納豆、山芋、オクラ、ナメコ、海藻、など粘りのあるものに含まれます。
 ⇒ 関節軟骨

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