Subject   : 単糖類

カテゴリー  : 学びの館 > 生化学 


 単糖類
これ以上加水分解されない糖類の構成単位が単糖類であり,代表的なものはグルコース(ブドウ糖),フルクトース(果糖),ガラクトースなどです。  単糖類分子が環状構造をとるとき,原子6個からなる六員環構造と,原子5個からなる五員環構造があります。六員環構造をピラノースpyranoseといいます。ピラノース環は,シクロヘキサンC6H12と同じく,いす型配座と舟型配座の両方をとることができますが,いす型配座の方が安定です。  グルコースには,α−グルコースとβ−グルコースがあり,水溶液中では鎖状構造とともに平衡状態になっています。α−グルコースとβ−グルコースの違いは,1番炭素に結合しているヒドロキシル基の向きです。この違いに注意して下さい。  グルコースの環状構造では,1番炭素がアルデヒド基になっていますね。そのため還元性があるのです。環状のグルコース分子では,還元性の説明ができませんから注意して下さい。  鎖状構造の5番炭素に結合しているヒドロキシル基の酸素原子が,1番炭素を攻撃して結合ができると環状構造に戻ります。水溶液中では,大部分が環状構造で,鎖状構造はごく微量です。  なお,グルコースは植物の果実,花の蜜などに含まれており,血液中には約0.1%存在しています。蜂蜜の主成分であり,甘みはショ糖の0.6倍だそうです。

● グルコース
glucose(ブドウ糖) C6H12O6 glekos(ギリシャ語の甘い葡萄酒) α−glucose と β−glucoseがある。 (ほのか に甘い。a-D-グルコースはデンプン、b-D-グルコースはセルロースの成分) 鎖状構造においてアルデヒド基→還元性→フェーリング液を還元,銀境反応

● フルクトース
fructose(果糖) C6H12O6 フルクトースは,結晶中では六員環の環状構造であるβ−フラクトピラノースになっていますが,水溶液中では五員環の環状構造であるβ−フラコトフラノースと鎖状構造との平衡状態になっています。  鎖状構造では,一見アルデヒド基はないように思えます。2番炭素はケト基になっており,1番炭素にはヒドロキシル基が結合しているだけです。しかし,この構造には異性体の平衡が存在し,1番炭素がアルデヒド基になりうるのです。少し難しいかもしれませんが,このアルデヒド基により,還元性が説明できるのです。  鎖状構造の6番炭素のヒドロキシル基の酸素原子が2番炭素を攻撃して結合ができると,六員環のピラノース型になります。また,鎖状構造の5番炭素に結合しているヒドロキシル基の酸素原子が2番炭素を攻撃して結合ができると,五員環のフラノース型になります。水溶液中では,大部分がピラノース型であるといわれています。  なお,フルクトースは果物の汁や蜜に含まれており,糖類の中で甘みは最大といわれています。

● ガラクトース(Galactose)
ガラクトースは乳糖の成分で,Galactumとは乳という意味だそうです。 また、,糖脂質,寒天ガラクタンの成分で,天然に遊離の形では存 在しない。

● D-リボース
五炭糖のうち最も重要な単糖で、核酸(RNA)の成分である。

● D-マンノース
天然に遊離の形では存在しないが,多糖マンナンや糖タンパク質の重要な成分で ある。
 ⇒ 炭水化物(糖質)

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