Subject   : 多糖類

カテゴリー  : 学びの館 > 生化学 


 多糖類
多数の単糖類が,グルコシド結合によってつながった化合物が多糖類です。 同一種の単糖類から成るものをホモ多 糖,二種以上の単糖類から成るものをヘテロ多糖という。 主なものには,デンプンstarch,グリコーゲンglycogen,セルロースcelluloseなどがあります。  

● デンプン(starch, cane suger)
   starch (C6H10O5)n sterchen=糊付け
       アミラーゼ    アミラーゼ   マルターゼ
   デンプン → デキストリン → マルトース → グルコース
   α−グルコースの重合体(数百〜数万個) 分子量数万〜数百万

デンプンは,α-D-グルコースがα-1,4(およびα-1,6)結合で多数重合したものであり,分子量は数万〜数百万です。デンプンの中で,比較的分子量が小さく,直鎖状の構造をもつ分子をアミロースamylose,比較的分子量が大きく,枝分かれの多い構造をもつ分子をアミロペクチンamylopectinといいます。アミロースは70〜80℃の温水に溶けますが,アミロペクチンは溶けません。  デンプンの検出にヨウ素デンプン反応を使うと、青紫色の呈色反応をします。
 <アミロース>amyrose
   直鎖状の構造 多くのヒドロキシル基→親水コロイド
   還元性がない
   ヨウ素デンプン反応(濃青色)
  α-1,4結合のみでできた鎖状分子。分子はグルコース6単位で1巻きのらせ ん構造をしている
らせんの中にヨウ素分子が入る →ヨウ素デンプン反応 

   <アミロペクチン>
   α-1,4結合の鎖状部分とα-1,6結合による枝分かれをもつ。
     平均鎖長は20〜25。枝分かれのため、分子全体は球状。
  ふつうのデンプンでは,アミロースが20〜25%含まれて,他はアミロペクチンです。餅米では100%アミロペクチンです。                              

● グリコーゲン(glycogen)
(C6H10O5)n glykos(ギリシャ語)甘い+gen生じる
   構造や組成はアミロペクチンと同じ
   分子量 数百万
   還元性がない
   ヨウ素デンプン反応(赤褐色)

グリコーゲンです。語源はギリシャ語の甘いという意味のようです。 ですから,グリコーゲンは甘さの生じるものという意味になります。  構造や組成は,アミロペクチンと同じで,ヨウ素デンプン反応の色は、 赤褐色です。ヨウ素デンプン反応は,すべて青紫色ではありません。
 グリコーゲンは,動物の肝臓や筋肉の中に含まれています。 必要に応じて,グルコースに加水分解され,血液中を移動します。

● セルロース
cellulose (C6H10O5)n cellula(ラテン語)細胞+ose糖類
   β−グルコースが直鎖状に縮合
   分子量百万〜数千万

セルロースは,植物の細胞壁の主成分です。 セルロースは,細胞と糖類がミックスルされたことばです。  β−グルコースが直鎖状に縮合していますが,二糖類のセロビオースが単位になっていると考えてもいいですね。セロビオースは,平面状の分子でした。また,構造式の数字をみて下さい。β−グルコースの1番炭素から6番炭素の位置を示しているのですが,青色の数字と赤色の数字は裏表が逆になっているいることがわかりますか。セルロース分子では,β−グルコース分子が,交互に裏表逆に結合しているのです。  したがって,セルロースはらせん構造をとりません。下の分子モデルでも,明らかにアミロースとの違いがわかりますね。また,分子間ではヒドロキシル基による水素結合があるため,分子同士が結合します。だから強い繊維になるのでしょうね。  セルロースの分子量は,百万〜数千万にもなるといわれています。木綿では,β−グルコースが約3000個,パルプでは約800個結合しているそうです。
アミロースとセルロースの違いは,ヨウ素デンプン反応で呈色するかしないかです。そして,その違いは,分子がらせん構造をとっているかとっていないかです。区別できるようになりましたか。
 ⇒ 炭水化物(糖質)

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