Subject   : 熱伝導率(λ)

カテゴリー  : 学びの館 > 化学 


 熱伝導率(λ)
どんな物質も熱を伝える性質を持っています。その物質がどの程度熱を伝えるかを数値化したものが熱伝導率であり、値が低いほど熱を通さない、つまり断熱性に優れていることを示します。

熱伝導率(ねつでんどうりつ、Thermal conductivity)は、熱伝導度ともいい、熱伝導において、熱流束密度(単位時間に単位面積を通過する熱エネルギー)を温度勾配で割った物理量。その逆数を熱抵抗率という。
熱伝導率は、kcal/m・h・℃ で表示される場合があります。これは温度差が1℃の時、1mの厚さの物質を1時間に流れる熱量を表します。
国際単位系から従来単位系への変換は、1W/(m・K)=0.86kcal/(m・h・℃)となります。
熱伝導率は媒質中により温度勾配がある場合にその勾配に沿って運ばれる熱流束の大きさを規定する量であり,熱拡散率は温度勾配により運ばれる温度(熱エネルギー)の拡散係数を意味する。ここで,熱拡散係数と熱拡散率は物理的に異なった量を意味するので注意が必要である。 熱拡散係数は,混合物に温度勾配がある場合に,熱拡散により濃度勾配が生じる時の大きさを規定する物理量である。 熱伝導率=熱拡散率x定圧比熱容量x密度 である。(なお,比熱容量x密度は単位堆積当たりの熱容量で,体積熱容量と呼ぶ)
例えば、天然木材の杉やヒノキの熱伝導率は0.12W/(m・K)ですが、 銅は370W/(m・K)もあります。 つまり銅は木材より約3100倍も熱が伝わりやすいということです。調理器具に使われるものは熱が伝わりやすいことが重要ですので、銅や鉄、アルミなどが良く使われますが、断熱という目的では不利な素材と言えます。
熱伝導率は、繊維系は25℃、発泡系は20℃の値です。
材料の分類 材料名 熱伝導率(λ) 密度 メモ
セメント
コンクリート
レンガ
セメントモルタル 1.5

コンクリート 1.6

軽量気泡コンクリートパネル(ALCパネル) 0.17 500〜700
普通レンガ 0.62 1700以下
金属類 370 8300
アルミニウム合金 200 2700
鋼材 53 7830
ステンレス 15 7400
ガラス
プラスチック
ゴム
フロートガラス 1 2500
アクリルガラス 0.2 1050
PVC(塩化ビニル) 0.17 1390
プチルゴム 0.24 1200
木質材
木質繊維材
天然 1種 0.12 檜・杉・えぞ松・とど松等
2種 0.15 松・ラワン等
3種 0.19 ナラ・サクラ・ブナ等
合板 0.16 420〜660
断熱木毛セメント板 0.1 400〜600
パーティクルボード 0.15 400〜700
せっこう せっこうボード 0.22 700〜800
せっこうプラスター 0.6

漆喰 0.7 1300
土壁 0.69 1280
繊維質上塗材 0.12 500
床材 畳床 0.11

タイル 1.3 2400
プラスチック(P)タイル 0.19


 ⇒ 熱力学で用いられる単位

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