Subject   : セッケンと合成洗剤

カテゴリー  : 学びの館 > 化学 


 セッケン
セッケンは,広義には脂肪酸の金属塩の総称であるが,普通,ナトリウムや カリウムのアルカリ金属塩をさし,その他のものは金属セッケンと呼んで 区別されています。 また,アルカリセッケンは,硬セッケンと軟セッケンに区別される。
 硬セッケンの製造は,大別すれば次の2種類がある。
(1) 油脂に水酸化ナトリウム溶液を加え,けん化釜で長時間加熱してけん化 させ,食塩水で塩析する。
(2) 油脂を過熱水蒸気で加水分解して脂肪酸とグリセリンに分離し,脂肪酸に 水酸化ナトリウム溶液を加えて中和する。

 得られたセッケンは,乾燥後,香料・着色料・ビルダーなどと混合され, 成型,型打ちされて製品となる。

● 乳化作用
極性のある水分子と無極性の油分子とは混じり合わないが,これらも分子中に親水 性の基と疎水性の基とを合わせもつ物質,すなわち両親媒性の物質を加えることによ って,混合させることができる。この物質を乳化剤という。
 たとえば,分子中に極性の強い親水性のカルボキシル基-COOHと,無極性の疎 水性のアルキル基-CnH2n+1をもつセッケンCnH2n+1COONaがその例である。
 水と油とを入れた容器にセッケン水を加えて激しく振ると,下図のように,何個かの セッケン分子が油の小滴を中心にして,疎水性の基を内側,親水性の基を外側にして 球状に集合し,コロイド粒子となり,この粒子が水の中に分散する。これが乳化作用で ある。
 合成洗剤
セッケン以外の洗剤を合成洗剤という。合成洗剤には主に陰イオン界面活性剤が 用いられ,これにビルダーや螢光増白剤の添加剤が配合されている。ビルダーは, 洗剤の性能を著しく向上させる作用をもつ物質で,かつてはトリポリリン酸ナトリ ウムが用いられていた。しかし,ビルダーのリン酸化合物は,湖沼の富栄養化を促 進するので,その配合率が次第に低下し,ゼオライトが用いられるようになった。
 合成洗剤に用いられる界面活性剤には,アルカリベンゼンスルホン酸塩,アルカ ンスルホン酸塩,α‐オレフィンスルホン酸塩,硫酸アルキル(ポリオキシエチレン) 塩,アルキルポリオキシエチレンエーテルなどがある。


 ⇒ 高分子化合物の分類

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