Subject   : ケトン

カテゴリー  : 学びの館 > 化学 


 ケトン
第一級アルコールを酸化するとアルデヒドになり、さらに酸化すると カルボン酸になります。
第二級アルコールを酸化するとケトンになります。

      酸化
RR'CHOH ⇔ RCOR' R,R' 炭化水素基
      還元

第二級アルコール     ⇔  ケトン
(CH3)2CHOH + (O) → (CH3)2CO + H2O
 2−propanol            acetone

3CH3CH(OH)CH3+K2Cr2O7+4H2SO4→3CH3COCH3+Cr2(SO4)3+K2SO4+7H2O
酸化剤:Cr2O72−+14H++6e−→2Cr3++7H2O
  (酸化数+6)             (酸化数+3)

■ ケトンの性質
還元性を示さない。
 低位の脂肪族ケトンは特有の臭いをもつ液体で,水,アルコール,エーテルなど に溶ける。炭素原子数が増加すると水に溶けにくくなり,固体となる。 酸化剤に対して安定であるが,硝酸などで強く酸化すると カルボン酸になる

名称 示性式 融点[℃] 沸点[℃] 比重 水溶性
アセトン CH3COCH3 −94.82 56.3 0.7908
エチルメチルケトン(2-ブタノン) CH3COC2H5 −87.3 79.53 0.81
メチルプロピルケトン(2-ペンタノン) CH3COC3H7 −77.75 101.92〜101.94 0.89
ジエチルケトン (3-ペンタノン) C2H5COC2H5 −39.8 101.70 0.81
シクロヘキサノン (CH2)5CO −32 156 0.95 8%
アセトフェノン C6H5COCH3 19.65 202 1.03
ベンゾフェノン C6H5COC6H5 48〜48.5 305.9 1.10

   RCOCH2R′+3(O)→RCOOH+R′COOH
メチルケトンRCOCH3は,ヨードホルム反応を示し,酸化される。
   RCOCH3+4NaOH+3I2→RCOONa+CHI3+3NaI+3H2O
カルボニル基の隣の水素原子は活性で,ハロゲンなどで置換される。
   RCOCH2R′+Br2→RCOCHBrR′+HBr

■ ヨードホルム反応
アセチル基-COCH3,及び酸化されてアセチル基を生じるCH3CH(OH)-など に陽性の反応で,きわめて鋭敏であり,これらの基をもつ化合物の確認に用いられ る。ヨウ素と水酸化ナトリウムを加えて熱すると,酸化反応によりCHI 3の黄色 沈殿が生じ,この沈殿で反応を確認する。
   R-CO-CH3+4OH-+3I 2→R−COO-+3I -+3H2O+CHI 3
   R-CH(OH)-CH3+6OH-+4I 2→RCOO-+5I -+5H2O+CHI 3

 一般に-CO-基がある方が反応しやすく,水に不溶性のものは反応しにくい。 ヨードホルム反応は,エタノール及びアセトンの検出に用いられている。

 ⇒ 有機化合物の同族列の慣用名

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]