Subject   : 風化(weathering)

カテゴリー  : 学びの館 >  


 風化(weathering)
 地表付近に広がる岩石が位置を大きく変えることなく、天水、大気、生物などの作用によって細かくルーズな物質に変化する過程を一般に風化という。それに対し風化生成物が流水・風などの運搬営力により削剥される現象を、浸食(erosion)という。

 風化の程度は岩石の構成鉱物の組成や結晶の粒度によって異なる。また、同じ岩石であっても、気候条件や地形条件が異なれば、風化の様式や程度にも差を生じる。風化・浸食の両作用によって、地表面は削剥を受け、地形が形成される。

 ○ 粘土鉱物(clay mineral)
 母岩の風化ないしは熱水変質によって生成する微細な鉱物粒子の集合体を粘土(clay)といい、その主体をなす鉱物を粘土鉱物という。化学組成は主にSi、Al、Fe、Mg、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び水からなり、一般に水和性及び粘着性を有する。
 母岩とそれに接する媒質(水、熱水・蒸気)との相互作用により形成され、温度、圧力、媒質のpH、移動速度、母岩の化学組成の違い等によって種類はさまざまである。  その一方で、同一の粘土鉱物が異なる成因によって生成される場合もある。大部分の粘土鉱物は、Siと酸素の結晶単位である Si-O四面体式配置体が連続して生じる四面体シートが層状に重なる層状珪酸塩に属し、このような構造から結晶は板状または薄片状をなす。主要粘土鉱物にはスメクタイト(モンモリロナイト)、緑泥石、カオリナイト、セリサイトがある。
 粘土鉱物は熱水変質帯の主要構成物であるから、その濃集帯の発見は地熱資源や各種金属鉱床の探査上重要な指標となる。粘土鉱物は一般に波長2.20μm付近に特徴的なスペクトル吸収帯をもつ。この性質を利用して、マルチスペクトルデータによる粘土鉱物の同定を行い、変質帯を抽出して資源探査に利用することが可能である。
 ⇒ 組織地形(structural landforms)

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]