Subject   : TMR効果(トンネル磁気抵抗効果)

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 TMR効果(tunnel Magneto-Resistance Effect)
 トンネル磁気抵抗効果(TMR効果)とは、 磁気により絶縁体膜のトンネル電流が変化する現象である。ハードディスクドライブの超高記録密度化や、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)に応用されている。コイルなどの電磁誘導を用いた磁気記録の読み取り方式に比べ、大幅な素子の微細化が可能になる。

トンネル磁気抵抗素子は、2つの強磁性金属層の間に、膜厚1〜2nmの絶縁体層をはさみこんだ構造をしている。この膜面に対して垂直に電圧をかけるとトンネル効果により絶縁体層に電流が流れる。

強磁性体中の伝導電子はスピン偏極しているが、2つの強磁性金属層に外部から磁場を加え、それぞれの偏極の仕方を変えることで、トンネル電流を変化させることが出来る。平行に磁場を加えた場合、双方の偏極の仕方が等しく、トンネル電流が感じる抵抗は低くなる。反平行に加えた場合、偏極の仕方が逆方向になり、抵抗は高くなる。

非常に薄い絶縁体(トンネル障壁という。通常、酸化アルミ(Al-O)を用いる)を2枚の強磁性金属の電極で挟んだ素子をトンネル磁気抵抗素子(TMR素子)という。2つ強磁性電極の磁石の相対的な向きが平行な時と反平行な時で、TMR素子の電気抵抗が大きく変化する。この現象をトンネル磁気抵抗効果(TMR効果)と呼ぶ。このように磁気によって変化する電気抵抗のことを磁気抵抗と呼ぶ。

トンネル磁気抵抗効果の大きさは、MR比によって表される。MR比とは、二つの磁化状態での抵抗の差Rap-Rpを平行状態での抵抗値Rpで割ったものである。この値が大きいほど、トンネル磁気抵抗効果は大きい。1995年には室温でのMR比は20%程度であったが、2007年には500%のMR比が得られるようになった。

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 ⇒ 巨大磁気抵抗(GMR)効果

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