Subject   : 筋肉(muscle)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 筋肉(muscle)
能動的な収縮により付着する骨格、皮膚、内臓などを動かす筋線維(筋細胞)の集まった筋組織。 次ぎのように分類します。

形態学的分類 機能的分類
横紋筋  骨格筋 随意筋
横紋筋  心筋 不随意筋
平滑筋(内臓筋) 不随意筋

● 骨格筋(skeletal muscle)
意志で動かすことが出来る筋肉のことで、 心筋と似て横紋を持っています。骨格筋は、随意筋(体性運動神経支配)
紡錘形の骨格筋は、細長い骨格筋線維とその細胞間を埋めて束ねる結合組織からなる。骨格筋線維はそれぞれが一個の細胞で、多くの核を持っている。 骨格筋線維には2種類あり、ミトコンドリアに富んで酸素を利用した持続的な収縮の可能な遅筋(Type 1、赤筋)と、ミトコンドリアは比較的少なくピルビン酸による瞬発的な収縮の可能な速筋(Type 2、白筋)にわけられる。 速筋の中でもやや持続的収縮に向いたものはType 2a、そうでないものはType 2bとさらに細分される。
これら筋線維が複数で1本の運動単位を形成している。 1つの運動単位に含まれる骨格筋線維は生理学的に性質の同じものであり、1本の運動神経の支配を受けている。 骨格筋線維を直接支配している神経線維は、α繊維と呼ばれる径の太い(伝達速度の速い)ものである。
骨格筋にはこのほか、収縮の度合いを感知する感覚器があり、筋紡錘と呼ばれる。筋紡錘も骨格筋線維からなる。 これをIa群線維と呼ばれる感覚神経のほか、γ運動神経と呼ばれる神経線維も支配している。 γ線維は、筋紡錘を収縮させたり弛緩させたりすることで筋紡錘の感度を調節し、結果的に筋の緊張状態を調節している。(γループ)

● 心筋(Cardiac muscle)
心筋は、心臓を形づくっている筋肉です。骨格筋と同様に筋線維が規則正しく配列し、顕微鏡で横じま模様がみえますが、その人の意思とは関係なくリズミカルに収縮と拡張を繰り返している点で、筋骨格系の筋肉とは異なります。 不随意筋(自律神経支配)

● 平滑筋(Smooth muscle)
体内の各所で働いていますが、普段それを意識することはありません。平滑筋は多くの動脈を取り囲んでいて、収縮することにより血液量を調節しています。また、腸管の周囲も平滑筋に覆われていて、消化管にぜん動運動を起こし、食物や便を運ぶ働きをしています。平滑筋も脳によってコントロールされていますが、その収縮や弛緩は体の必要に応じてコントロールされていて、自分の意思で動かすことはできません。このため平滑筋は不随意筋とも呼ばれます。

 ⇒ 筋骨格系

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]