Subject   : 腎臓の糸球体とネフロン

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 ネフロン(nephron)
腎臓の主な働きは尿を作ることですが、これを行っているのがネフロンと呼ばれる管状の構造で、1個の腎臓に約100万個あります。ネフロンの始まりは、腎皮質にある糸球体(腎小体とも呼ぶ)で、ボーマン嚢という袋の中に毛細血管が詰まっています。顕微鏡で見ると、丁度毛糸の糸玉(球)のように見えることから糸球体という名前が付けられました。糸球体では毛細血管からボーマン嚢に水分がにじみ出、この水分が尿細管と呼ばれる細い管を流れます。尿細管は、糸球体のある皮質から一度髄質の深いところまで流れ、再び元の糸球体に戻って来るループ構造になっています。

ネフロンのうち80%は皮質ネフロンである.残り20%が傍髄質ネフロンといわれ,長いHenle(ヘンレ)係蹄を持つ。  各ネフロンは腎糸球体と尿細管からなる。糸球体は輸入細動脈から連なる毛細血管の球であり,輸出細動脈に連なる.糸球体毛細血管壁は,内皮細胞,基底膜,メザンギウム細胞からなる.Bowman(ボーマン)嚢は糸球体を包み,近位尿細管に連なる。
 糸球体(Glomerulus)
腎小体には一本の輸入細動脈が入り、一本の輸出細動脈が出てゆく。腎小体に入った輸入細動脈は分枝して網細血管となり塊を作る。この塊を糸球体と言う。糸球体を形成する網細血管は再び一本に集まり、輸出細動脈となって腎小体から出てゆく。糸球体はボーマン嚢で包まれており、ボーマン嚢からは一本の尿細管が出ている。

糸球体でにじみ出る水分の量は1分間に120ml(腎臓に流れ込む血液の約1/8)で、1日に換算すると、なんと170Lにも及びます。一方、1日の尿量は普通1〜2Lですから、糸球体でこし出された水分の大部分は尿細管を流れている間に、再び血管に戻る(再吸収と呼ぶ)ことになります。糸球体濾過は、血球や蛋白質などの大きな分子以外は無選択に行われるため、体に必要なアミノ酸やブドウ糖なども濾過されます。しかし、尿細管にはこのような大事な物質を失わないような再吸収の機能が完備されているわけです。

糸球体(しきゅうたい、Glomerulus)は、脊椎動物の腎臓のネフロンでボーマン嚢に囲まれた毛細血管の塊であり、腎臓循環の輸入細動脈から血液が流れ込んでいる。大部分の毛細血管とは異なり、糸球体は小静脈ではなく輸出細動脈へ流れる。細動脈の抵抗は糸球体の血圧を上昇させ、ボーマン嚢の血液の限外濾過の過程を促進させる。
糸球体とその周囲のボーマン嚢とで腎小体(マルピーギ小体)を構成している。糸球体による血液の濾過率は糸球体濾過率(GFR)と呼ばれる。この測定値は、腎機能を決定するのに使われる。
内皮細胞、基底膜、蛸足細胞を透過した物質は限外濾過液と呼ばれ、近位尿細管に入る。濾過されなかった物質は輸出細動脈へ向かう。

 ⇒ 腎臓

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