Subject   : 網膜

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 網膜
網膜とは、眼球後部の内側を覆っている光に感受性のある透明の膜で、角膜と水晶体を通った光はこの網膜上に焦点を結びます。網膜中央部を黄斑といい、色に対する感度が高い光受容細胞が密集しています。これらの細胞は錐体(すいたい)細胞といい、視野の中心部(中心視野)で非常に鮮明な像をつくる役割をしています。網膜周縁部には桿体(かんたい)細胞と呼ばれる光受容細胞があります。桿体細胞は弱い光を感じることができますが、色を感じる機能はありません。桿体細胞は周辺視野と夜間の視力を担っています。

■ 網膜の構造
視神経は、錐体と桿体の光受容細胞で生じた視覚信号を脳へと伝えます。光受容細胞のそれぞれからは小さな枝が出て、視神経につながっています。視神経は脳へと伸びていて、脳の視覚領域に信号を伝えるニューロンとつながっています。伝えられた信号は脳で映像として認識されます。
視神経と網膜には、血液と酸素を供給する血管がたくさんあります。その一部は網膜と眼球外側の白い層(強膜)の間にある脈絡膜という血管に富んだ層から来ています。網膜に血液を供給するもう1つの主な血管は網膜中心動脈で、この血管は視神経付近で網膜に到達してそこから網膜各部へと枝分かれしています。
加齢黄斑変性は、網膜の中心にあり視力にとって最も重要な部分である黄斑に進行性の障害が起きる病気で、視力が徐々に失われていきます。 加齢黄斑変性は、男女を問わず高齢者がかかりやすい病気です。肌の白い人や喫煙者により多くみられます。原因は不明ですが遺伝する傾向がみられます。

 ⇒ 人間の眼

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