Subject   : PDGF(血小板由来増殖因子)とEGF(表皮増殖因子)

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学 


 PDGF(platelet-derived growth factor)
PDGF(血小板由来増殖因子)は、血液が凝固する時に血小板が崩壊するが、このとき放出される。

PDGFは血小板だけでなく、マクロファージ、平滑筋細胞、内皮細胞、繊維芽細胞からも分泌され、組織が傷つくと放出されて、細胞遊走と細胞増殖によって組織を修復、創傷治癒に関わる。

PDGFは単独では遊走作用のみしか示さず、増殖作用を発現するためにはEGF、IGFの共存が必須である。
つまり、傷ができると血小板からPDGFが放出されて、繊維芽細胞やマクロファージを遊走させて、血漿中のEGFやIGFとともに細胞増殖を促します。
 EGF(epidermal growth factor)
EGF(表皮増殖因子)は血小板から分泌され、チロシンキナーゼを活性化することでDNAを合成し、細胞を増殖させる。
上皮成長因子レセプター(EGFR)遺伝子の変異は細胞の異常増殖を引き起こす(癌の原因の一つ)。
イレッサ(ゲフィチニブ)はチロシンキナーゼを阻害することで抗がん作用を示す。
EGFによる気管支平滑筋増殖はカイメース(chymase)やTGF-βで抑制される。

 ⇒ サイトカイン(生理活性物質)

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