Subject   : その他の糖の代謝

カテゴリー  : 学術情報 > 生化学


 その他の糖の代謝
フルクトース(果糖)も、グルコースの代謝(解糖)に組み込まれます。  フルクトースの吸収には、Na+は、必要でなく、肝臓で、速やかに、インスリン非依存性に、代謝されます。 の2つがある。

 果糖(フルクトース)は、体内では、エネルギー源となったり、ブドウ糖に変換されたり、トリグリセリド(中性脂肪)の合成に利用される。
 果糖は、ブドウ糖(グルコース)の代謝(解糖)に組み込まれるが、筋肉と肝臓では、異なった経路を辿る。
 果物に含まれる果糖は、直接的には、血糖値(血中のブドウ糖濃度)を上げないが、果糖は、肝臓でトリグリセリドに変えられ、VLDLなどを増加させ、高脂血症などを来たす恐れがある。  果糖(フルクトース)は、ブドウ糖(グルコース)の代謝(解糖)に組み込まれる(エネルギー源となる)が、筋肉と肝臓では、異なった経路を辿る。  果糖(フルクトース)は、主に肝臓で代謝を受け、解糖系に入る(ピルビン酸に分解されTCA回路で代謝されたり脂肪酸やトリグリセリドに変換されるか、糖新生でグルコースに変換される)。  果糖は、肝臓では、fructokinaseにより、フルクトース 1-リン酸に、筋肉では、hexokinaseにより、フルクトース 6-リン酸に代謝(リン酸化)される。

 果糖は、糖新生により、ブドウ糖(グルコース)に変換される。

経口的に与えられた果糖(フルクトース)は、腸管(小腸)から吸収され、その大部分は、門脈を経て、肝臓に運ばれて、代謝される。  果糖は、空腸上皮に存在する糖輸送担体(GLUT5)により、促通拡散輸送され(濃度勾配に依存した単純拡散機序)、吸収される。  なお、ブドウ糖(グルコース)は、Na-糖共輸送担体(SGLT1:sodium-dependent glucose transporter 1)により、Naと共に、能動輸送され、吸収される。  その為、果糖の方が、ブドウ糖(グルコース)より、腸管からの吸収速度が、遅くなる:ネズミでは、グルコースの吸収速度を100とすると、ガラクトース110、フルクトース43、マンノース19、ペントース15、キシロース15、アラビノース9と言われる。
 経口的に、又は、非経口的に体内に入った果糖(フルクトース)は、ブドウ糖(グルコース)よりも、速く、代謝利用される。  点滴など、静脈注射で、果糖(フルクトース)が体内に入ると、肝臓で代謝障害が起こる(高乳酸血症が起こる)ことがある。

■ ホスホグルコン酸回路(HMS)
ホスホグルコン酸回路(HMS)では、グルコース-6-リン酸から、NADPH2+(コレステロールや脂肪酸の合成に必須の補酵素)や、リボース(核酸の原料)が合成されます。

 糖質(α-ケトグルタル酸、ピルビン酸、オキサロ酢酸)は、酵素(ALT、AST、GDH)により、アミノ酸(グルタミン酸、アラニン、アスパラギン酸)に変換が可能です。

 ⇒ 小腸と腸液

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