Subject   : ホルモン測定法の種類

カテゴリー  : 学術情報 


 ホルモン測定法の種類 
 ホルモン測定法には、バイオアッセイ法、イムノアッセイ法、クロマトグラフィー法、質量分析法などがある。

 □ バイオアッセイ法
 ホルモン測定法開発の初期段階で多く開発された,ホルモン作用を指標として濃度を評 価する方法である。現在でも一部のホルモン関連検査項目に利用されている〔ブタ甲状腺 細胞を用い,cAMP産生量を指標として甲状腺刺激ホルモン受容体刺激抗体(TSAb)量を 測定する方法など〕。

 □ イムノアッセイ法
 測定するホルモンに対する特異的な抗体を用いる方法。最初に確立されたのはインスリ ン測定法で,開発したYalow博士はノーベル生理学・医学賞を受賞した。主としてポリク ローナルを用い,サンプル内の標的物質と標準物質に対する抗体結合の競合の度合いで評 価する方法と,一方を標識した2種類のモノクローナル抗体を用いて,標的物質を挟み込 む方法がある。

いずれの方法も, 放射性物質で標識する方法(radioimmunoassay;RIA)と, 酵素で標 識する方法(Enzyme-immunoassay;EIA)があり, 最近では放射性物質を用いないEIA 法が主流となりつつある。また,これをさらに改良した蛍光酵素免疫測定法(FEIA),化 学発光酵素免疫測定法(CLEIA),化学発光免疫測定法(CLIA),電気化学発光免疫測定法 (ECLIA)も開発され,種々の自動分析機に応用されている。

 □ クロマトグラフィー法
 高速液体クロマトグラフィーを用いて物質を化学的性質の違いにより分離し,かつ量的 な評価を同時に行う方法である。カテコールアミンの測定などに用いられる

 □ 質量分析法
 高電圧をかけた真空中で試料をイオン化し,静電力によって装置内を飛行しているイオ ンを電気的・磁気的な作用などにより質量電荷比に応じて分離,その後それぞれを検出す る方法である。本法の開発に関わった田中耕一博士はノーベル化学賞を受賞した。手間や コストを要するが,検出機器の進歩とともに測定が迅速かつ簡略化され,臨床検査の現場 でも徐々に用いられつつある。未知の物質が同時に検出可能なメリットもある。

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