Subject   : 大気中の光の散乱

カテゴリー  : 光学 


 大気中の光の散乱
 波である光は、大気中で波長よりも小さな粒や分子などにあたるとそれらを振動させ、粒や分子が波動を“中継”するかたちで改めて同じ波長の光を周囲に放出します。この現象を、光の「散乱」といいます。 空気中の分子による散乱などを特に「レイリー散乱」といいます。

レイリー散乱では、散乱光の強度は波長の4乗に反比例します。赤い光の波長は、青い光の波長の約2倍ですから、散乱は約16倍も弱いことになるのです。またレイリーは、散乱は光の進行方向に最も強く、直角方向でその2分の1になることも発見しています。日中の太陽は真上にあるので、上向きに空を見ている人間の目には最も光の散乱が強い状態となり、「青い空が見える」ということになります。ちなみに、光の波長と、空中に浮いている水滴やエアゾールなど粒の大きさがほとんど等しいときは、「ミー散乱」します。この場合の散乱の強さは波長と関係がありません。雲が白く見えたり、大気汚染があると空が白っぽく見えるのはこのためです。

日中は、散乱の強い青が強調されて空は青く見えます。朝夕は、光が大気層を長く通過するので青は散乱されきってしまい、散乱しにくい赤やオレンジが強調され、空は赤く見えます。

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