Subject   : 光子(X線)をプローブとする分析技術

カテゴリー  : 産業・技術 


 光子(X線)をプローブとする分析技術
 光電子分光、EXAFS、XRD、ESR、NMR、IR、ラマン分光、可視紫外分光、真空紫外分光、X線分光などがある。ここではX線をプローブとする分析技術を考える。X線はエネルギーの高い電磁波であり、あらゆる物質に対して透過力が高く、物質の分析には広く利用されている。
 X線を物質に照射して、物質の情報を得る方法としては、蛍光X線分析法、X線吸収法、EXAFS法、XANES法、光電子分光法、X線回折法などが良く知られている。表面を分析するために少し工夫された方法もある。例えば、全反射蛍光X線分析法、表面EXAFS法、全反射XANES法、表面XANES法、表面X線回折法である。

● XPS(X-ray Photo-electron Spectroscopy)
定性(%オーダー以上)深さ方向元素分布 半定量 元素の結合エネルギー(化学状態)
20mm口以下厚み5mm以下 脱ガスが少ないこと 分析領域1mmφ以上が望ましい パウダーの場合スパチュラ1/2以上

● EXAFS(Extended X-ray Absorption Fine Structure)
光電子の干渉効果で得られた透過X線を分析
特定元素周辺の原子の動径分布 情報深さ:〜数μm 分析領域:〜mmφ
数mm口以上、厚さを数μm程度にする必要あり Tiより軽元素は困難 特質の形態(結晶 非晶質 液体)によらず分析可能

● XD(X-ray Diffraction)
X線回折法
結晶同定、格子定数、応力測定、結晶粒の大きさ、不完全さ、結晶度、結晶配向特性 、導体試料中の欠陥、歪
膜の厚さが非常に薄い試料、結晶性の悪い試料 薄膜と基基板の回析が重なる試料は解析が難しい

● TRXRF(Total Reflection X-Ray Fluorescence)
全反射蛍光X線法
基板に対し平行に近い角度でX線を入射する事により、殆ど基板に侵入する事無く全反射させる事が出来る。このときX線の減衰は表面近傍での吸収(1〜100nm)によって起こり、原子から内殻電子を放出させる。内殻にできた正孔にその外側に存在する電子が落ち込むとき、その余剰エネルギーを輻射として放出する。この輻射は蛍光X線と呼ばれ原子に固有な物である。これを結晶を用いた分光器または固体検出器を用いたエネルギー分析器で測定し、基板表面にどの様な原子が存在しているか調べることができる。
表面近傍における原子種の同定、定量的分析
簡便、非破壊、通常の蛍光X線法に比べて基板によるバックグラウンドが減少し、高感度に微量な表面物質が分析できる
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