Subject   : GPS衛星

カテゴリー  : 産業・技術 


 GPS衛星
 GPS衛星は、グローバル・ポジショニング・システム(Global positioning system、GPS)で用いられる人工衛星である。正式名称はナブスター(NAVSTAR)衛星。

 通常、複数の衛星による衛星コンステレーションとして作られ、これを準天頂衛星システム (quasi-zenith satellite system; QZSS) と呼ぶ。

 各衛星は、搭載したセシウムまたはルビジウムの高精度原子時計による時間情報と、約6日毎に更新される全衛星の概略の軌道情報(アルマナックデータ)と、約90分毎に更新される衛星自身の詳細な軌道情報(エフェメリスデータ)を含むデータを18秒の信号に乗せて30秒周期で1.2GHz/1.5GHz帯によって送信している。利用者はこの信号を受信することにより、複数の衛星からの情報を元に高度な演算によって、受信地点の正確な三次元位置が得られる。

 各衛星は高度20,200km、軌道傾斜角55度、周期12時間の準同期軌道上にあり、各衛星は昇交点経度が60度おきとなる6種類の軌道面毎に4個が配置され合計24基で基本となる衛星コンステレーションを形成する。2007年9月の運用数は31基であり、衛星が増えることで測定精度が向上する。7基は基本となる衛星コンステレーション以外の軌道上にあり、これにより仮に複数の衛星が故障しても運用に支障がない信頼性と有用性を確保している。これらの軌道配置によって地上のどこからでもさえぎるものがなければ同時に6以上の衛星が視界に入る。

各衛星は荒い精度のC/Aコード(Coarse/Acquisition code)と高精度のPコード(Precise code)の少なくとも2種類の信号を、直接拡散スペクトラム・コードによって送信している。
C/Aコードは1023チップの擬似乱数コードを使い、毎秒102.3万チップの速度で送信しているため、1000分の1秒ごとに乱数は一順する。それぞれの衛星はC/Aコードに固有の拡散符号を使っているので、同じ周波数で同時に送信しても受信時に分離する事が可能になっている。
Pコードは毎秒1,023万チップの擬似乱数コードを使い、毎週繰り返されている。通常の運用状態ではPコードはYコードによって暗号化されてP(Y)コードを作り、有効な暗号解読鍵を持つ解読機だけが解読できるようになる。C/AコードとP(Y)コードは利用者に正確な時刻を伝える。

GPS衛星の設計寿命は7.5年であり、新旧交代を目的とした打ち上げが毎年のように行われている。

  (出典)フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
 ⇒ 人工衛星(Artificial Satellite)

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