Subject   : ナノメタルインク・ペースト

カテゴリー  : 産業・技術 > 


 ナノメタルインク・ペースト
  エレクトロニクスデバイスの配線材料としてよく用いられるナノメタルインク・ペーストでは、メタル粒子を従来のμmサイズから10nm以下にナノサイズ化することにより粒子の表面が活性化し、融点が降下する融点降下効果が得られる。例えば、本来Agの融点は961℃だが、ナノサイズ化すると200℃以下で焼結し基板上でグレイン同志が融着して膜になる。このため、耐熱性の低いプラスチックフィルムや紙にこれらのインク・ペーストを印刷できるわけである。

 粒径数十nm以下のナノメタルパウダーを主成分にしたメタルインク・ペースト。低温焼成できるほか、インクジェットプリンティング法ではノズル目詰まりがないという利点がある。

 容易に想像できるように、ナノメタル粒子は表面が活性であるため、容易に凝集する。このため、インク・ペーストの製造過程ではまずナノメタル粒子に有機保護膜をつける。この結果、溶液やインク・ペースト状態では凝集せずに独立分散状態を保つ。そして、基板に塗布後、焼成することによって有機保護膜が一部バーンアウトし、ナノメタル粒子同士が融着して膜となる。いうまでもなく、この有機保護膜のバーンアウト率が導電性を左右するため、比抵抗と焼成温度はトレードオフの関係になる。

 ■ ナノサイズ効果
 物質を数十nm以下の大きさにシュリンクすると、量子効果と呼ばれる特殊な現象が発現する。つまり、従来なかった新たな機能が発現したり、従来に比べ特性が大幅にアップする。こうしたコンセプトからナノテクノロジーの採用機運が高まった。

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