Subject   : システムLSI

カテゴリー  : 半導体 


 システムLSI(system LSI)
装置(システム)のほとんどの機能を1チップ上で実現したLSI(大規模集積回路)。
これまで複数のICを組み合わせて構成していた機能を1チップに集約できます。 携帯電話などのように、小型で高性能な機器を効率良く実現できます。
主に,プロセッサとメモリ,入出力回路,インタフェース回路,通信回路など から構成されます。アナログ回路を搭載したLSIもあります。

1個のチップでSystem LSIを完成するのがSoC(System on Chip)で,2個以上のチップを使いますが,1個のパッケージに入れてしまって,ユーザーから見れば1個のLSIと考えて使えるのがSiP(System in Package)です。

回路規模が大きく設計に時間がかかるため,動作を確認した既存の回路ブロックを 再利用する方法が不可欠です。この再利用できる回路ブロックのことを IP(Intellectual Property:設計資産)といいます。 IPには,MPU(Microprocessor Unit)や DSP(Digital Signal Processor), メモリといった基本モジュールだけでなく,たとえばUSBインタフェース回路など 特定の目的のために設計した回路もあります。

● SoC(System on Chip)
通常,一つのシステムには,CPUとメモリが入っています。これを1個のチップで製作すると,小型の機器が製作できるとともに,配線の長さが短くて済みますから高速動作には有利です。ただし,SoCを製作するには,ロジックLSIのプロセスとメモリのプロセスの両方を作りこむ必要があります。通常この両者はかなりプロセスが異なりますから,同一チップに作りこむにはプロセス数が増えて安価に作るのが困難です。

● SiP(System in Package)
1個のパッケージ基板に複数個のチップをマウントし,ワイヤボンドで接続したモジュールは以前から使われていました。最近は,パッケージを超小型にしたり,チップを積層に積んだりしてパッケージ体積を減らしたLSIが,SiPと呼ばれて多用されています。SoCに比べて製作は難しくなく,CMOS LSI以外のチップも同梱できますから,用途が拡大できます。
パッケージの中に所望のメモリやマイコン,受動部品を複数搭載し,内部を三次元的に接続することで所望のシステムを実現したものです。

● IP(intellectual property)
元来は,知的財産権の意味であるが,LSIを構成するために必要な機能ブロックを IP(設計資産)と呼びます。 IPにはその機能ブロックのハードウエア(論理回路図,LSIレイアウト図など), およびソフトウエア(ドライバ・ソフトウエア,ファームウエア,ミドルウエアなど) があります。ハードウエア回路を「半導体IP」,ミドルウエアなどのIPを 「ソフトウエアIP」ということもあります。 代表的なIPとしては,CPU,DSP,通信機能部,AV機能部,メモリ機能部, 入出力機能部などがあります。 この既設計で,動作が確認されている回路ブロック(半導体IP)を再利用すると, 新たに回路を設計するよりも効率的で設計期間が短縮できます。


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