Subject   : キャッシュフロー経営と株主価値

カテゴリー : 政治・経済


 キャッシュフロー経営
キャッシュフローとは、「現金収支」などとも言うね。企業の一定期間の「現金(キャッシュ)の流れ(フロー)」のことを指すんだ。企業活動によって、現金がどれだけ増減したかを知ることができる。
3つのキャッシュフロー
営業キャッシュフロー:商品やサービスの販売といった営業活動から稼ぎ出した現金。値がマイナスであれば問題あり。
投資キャッシュフロー:固定資産の取得・売却、有価証券の取得・売却等。工場や店舗を建てるなど、将来の利益を生み出すための投資を行うため通常はマイナス。
財務キャッシュフロー:借入金や社債の発行等でお金を得るとプラス。逆に借金の返済などを行った場合はマイナスとなる。

企業価値の評価において、キャッシュフローを最重要指標として位置づけ、キャッシュフローの最大化を目標とする経営手法のことです。現金収支の拡大を重視した経営を指す。  現金収支が多ければ、銀行融資など外部資金に依存する必要が少なくなり、経営の安定度が増す。逆に売り上げや利益が増えていても、売掛金の回収などが遅れて現金がなければ、経営が行き詰まることにもなりかねない。取引銀行との株式持ち合い解消が進み、安易な銀行借り入れが難しくなっていることからも、キャッシュフロー重視の経営を強化する必要性が高まっている。
欧米、特にアメリカにおいて、年金基金、投資信託などの機関投資家の株式所有比率が上昇し、株主を重視する強い文化的傾向を背景に、経営に対する機関投資家の発言力がますます高まり、経営陣の交代、業務改革を迫るケースも見られます。このような状況の中で、株主価値の最大化、株価向上を目指すべく、キャッシュフローを指標とした経営管理制度を導入する企業が急速に増えてきています。
 株主価値
営業キャッシュフローを資本コストで割引いた現在価値(DCF)と非営業部分の価値を足したものから有利子負債を控除した評価額のことです。
多くの日本企業は、これまで会社業績の指標として売上高や経常利益を重視し、株主の期待投資収益率を意識してきませんでした。しかしながら金融ビッグバン以降、財務状況が全体として悪化し、資金を直接資本市場から調達する必要性が増加する中で、これまで以上に株主に対するトータル・リターンの最大化に焦点をあてた経営、すなわち株主価値の最大化が求められています。
● 資本コスト
「資本コスト」とは、企業が事業を行う際調達した資本に対して支払うことが期待されるリターンを指します。資本コストは、自己資本(株式)コストと他人資本(負債)コストの二つに区別できます。自己資本の提供者は株主であり、株主が株式に対して出資した金額に対して期待するリターンが自己資本コスト(株式)です。一方、他人資本の提供者は社債の保有者や借入金の貸出者であり、これら債権者が要求するリターン、つまり社債の利回りや借入金利が他人資本(負債)コストです。この自己資本と他人資本それぞれの期待収益率を構成比率により加重平均したものがWACC(Weighted Average Cost of Capital)、つまり加重平均資本コストとして定義されます。
WACCを算出する場合、一般的に他人資本の期待収益率は借入金や社債の金利を用い、自己資本の期待収益率については配当金の株価に対する利率及び株価上昇率等が用いられます。このように算出されるWACCは、将来のキャッシュフローを現在価値に引き戻す際の割引率として多用されています。

 ⇒ 

[メニューへ戻る]  [HOMEへ戻る]  [前のページに戻る]