Subject   : 不況

カテゴリー : 政治・経済


  不況
不況とは、経済活動が停滞し、国全体の生産と消費・投資が前年(前期)比でほとんど伸びないか、下降している状況にあり、国民所得も横ばい、または減少している、景気の悪い状態をいいます。

景気が下降する過程では、企業が生産しているモノ・サービスの売上は伸び悩み、企業は在庫を減らすために生産を縮小します。生産の縮小は、従業員の残業時間やパート・臨時労働者の削減につながり、雇用者の所得が減少し、他の企業が生産した商品の消費が減少(その企業の売上が減少)します。

 こうして多くの企業の売上が減少すると、産業界全体の労働賃金は、横ばいになり新規採用は停止され、企業の利潤も減って設備投資は削減され、不況となります。設備投資は、他の企業の生産物を必要とします。これが落ち込めば、経済全体の生産はますます不活発になって不況の悪循環が続きます。

 不況になると企業の資金需要も落ち込むため、金利水準は低下します。また、モノ・サービスへの需要の減退は、それらの価格水準、つまり物価を下降させます。

 このような事態に対して、政府は景気対策としてさらに金利を下げ、公共投資や減税で需要を喚起します。低金利により設備投資のコストが下がるため、競争力を高めたい一部の企業は投資を復活させます。消費者も低金利で住宅建設・購入の意欲が高まってきます。低金利は一般に通貨安につながり、投資の効果もあり、輸出競争力が強化された企業の輸出は伸び始めます。こうして不況は底入れし、景気回復あるいは好景気への道筋が見えてきます。こうした一連の動きを景気循環といいます。

● 恐慌(panic)
 株価暴落などをきっかけに経済が極度の混乱状態に陥ること。
 銀行や企業の信用力が急速に縮小し、金融機関や企業が連鎖的に破たんする事態を招く。1927年の昭和金融恐慌、29年からの米国発の世界恐慌などがその代表例。

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