Subject   : セロトニン

カテゴリー  : 話題のことば > 神経伝達物物質


 セロトニン
落ち着きと安定感をもたらす神経伝達物質 です。

 セロトニンは、2%が中枢神経系に存在し、神経伝達物質として作用する
 脳幹の縫線核から網様体の、比較的せまい範囲にあるのがセロトニン作動性神経系です。せまい部位にありますが、他の神経系と連携しているので、広い範囲に重要な影響を及ぼしています。
 セロトニンは他の神経系に抑止的に働くことで、過剰な興奮や衝動・抑うつ感を軽減します。セロトニンが不足すると、鬱状態になったり、暴力的になったりします。

必須アミノ酸であるトリプトファンの代謝過程で 生成されるもの。ほかの神経伝達物質であるドーパミン(喜び、快楽)、 ノルアドレナリン(恐れ、驚き)などの情報をコントロールし、精神を安定させる作用がある。セロトニンが不足すると感情にブレーキがかかりにくくなるため、快楽から抜け出せずに依存症に陥ったり、うつ病になりやすいなどといった指摘もある。
 幼児期に安全な環境になかった動物はセロトニンの分泌能力が低く、セロトニン濃度の低下が見られやすいといわれています。また、ストレス環境に長期間いた個体はセロトニンが枯渇に近い状態になっているので、興奮や衝動・抑うつ感を抑制することが難しくなると言われており、殺人・殺人未遂・自殺未遂を起こした成人や子どもは、セロトニンの濃度が低いことが確認されています。

 逆にセロトニンの過剰は、てんかんをもたらすと言われています。  

セロトニン(5-hydroxvtryptamine:5-HT)は、生理的活性アミン(biogenic amines)の一種で、血管収縮作用がある。  セロトニンは、人体には、10mg程度存在する。セロチニンの90%以上は、腸(小腸)に存在する:小腸のエンテロクロマフィン細胞(EC細胞)が産生して放出したセロトニンを、血小板が、腸の血管内で取り込む(能動輸送)。血小板(濃染顆粒)には、セロトニンの約8%が存在し、血小板が凝集すると放出される。なお、腸には、首から下の神経の55%、微小な血管の60%が、存在する。小腸には、パイエル板(絨毛が存在しない部位:30〜40個存在)など、免疫機構も存在し、病原体が侵入した際に、下痢などで、体内から追い出す。

血液中のセロトニン(血小板に含まれるセロトニンなど)は、血液脳関門を通って、脳に移行することはない。セロトニンは、ストレスが高まると、神経終末からの分泌が増加し、他の神経伝達物質のドーパミン(喜び、快楽)、ノルアドレナリン(恐れ、驚き)の情報を制御し、精神を安定させる。  セロトニンは、発痛物質(ブラジキニンなど)による発痛作用(痛み)を、増強させる。

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