Subject   : 小麦胚芽

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 小麦胚芽
パンの原料である小麦は、本来栄養のバランスがとれえた穀物であるが、パンは胚芽を取り去った小麦粉だけで作るので、かたよった栄養になってしまう。「玄米」の項で述べたように、穀類の外皮(糠)や発芽部分(胚芽)はタンパク質や脂肪、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれ、栄養価値は大きいが、消化が悪くて食用に不向きなので、あまり使われていない。こうした欠点を除き、小麦の胚芽の持つ栄養を生かしたのが、健康食品の小麦胚芽である。
 小麦胚芽は、小麦の粒にある胚芽部分を集めて食べやすくしたもので、白米(精白米)の20倍のビタミンB1、B2が含まれている。そのほかにもビタミンE・B12などが豊富なのが特徴。とくに、ビタミンEは小麦胚芽油でもよく知られているように、その効果は大である。血液の循環をよくし、脳に十分な酵素を補給したり、新陳代謝に必要な酵素の働きを促したりするほか、細胞の老化を防止する、などに役立つ栄養である。
ビタミンB1が不足すると、たとえば脚気になりやすくなる。これは「疲れやすい」「根気がない」といった症状を呈するもので、戦前は栄養不足のために、かなり多く見られた疾病である。ところが一時はほとんど影をひそめたこの病気が、食生活が豊富といわれえる近年、再び、見られるようになり、ビタミンB1不足の子供たちが急増しているという調査が発表され、各方面から注目された。
ビタミンB群不足を補うのに、小麦胚芽は格好の栄養食品なのである。 その効用は、
(1) ビタミンB1やB2が多く糖質の代謝が円滑に進むので、便秘も解消し、痔も治る、
(2) カルシウムの吸収率を高め、さらにビタミンEが心筋の働きを強化し、毛細血管の新陳代謝を促進するので、心臓病、喘息に効果がある、
(3) 疲れやすく、寝つきの悪い人にはビタミンB2、B6不足の人が多いので、こうした人の栄養補給によい、
(4) ビタミンやミネラルは関節リューマチに効果があるなどである。


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