Subject   : セルラーゼ (Cellulase)

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 セルラーゼ (Cellulase)
セルラーゼ (Cellulase) とは、β-1,4-グルカン(例えば、セルロース)のグルコシド結合を加水分解する酵素。主に細菌や植物において作られ、生物界に広く存在する。植物細胞の細胞壁のみを分解し、植物細胞のプロトプラスト化する場合や、繊維の間の汚れを取るために、市販の洗剤に配合されたり、ジーンズ繊維の材質の改善などに使われている。

分子内部から切断するエンドグルカナーゼ EC 3.2.1.4 と、糖鎖の還元末端と非還元末端のいずれから分解し、セロビオースを遊離するエキソグルカナーゼ(セロビオヒドロラーゼ) EC 3.2.1.91 にわけられる。また酵素タンパク質の構造から、ファミリーに分けられている。

ウシやヒツジなどの反芻動物やウマなどの草食動物は消化管にセルラーゼを産生する微生物(細菌、糸状菌、原生生物)を生息させており、これらによるセルロース分解によって植物繊維の消化を可能にしている。またシロアリやゴキブリはセルラーゼを産生する単細胞の原生生物を腸内に共生させている。動物自身はセルラーゼを産生できないためこのような共生をおこなっていると考えられてきたが、シロアリの研究では、シロアリ自身のゲノムにセルラーゼをコードする遺伝子をもっており、これが原生生物へ水平移動した可能性が示唆されている

■ 好熱嫌気性セルロース分解細菌( Clostridium thermocellum)
好熱嫌気性セルロース分解細菌では複数のサブユニットからなるセルラーゼ複合体: セルロソーム (Cellulosome) を形成していることが知られており、これが高いセルロース分解能につながっていると考えられている。

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