Subject   : セラミックス(Ceramics)

カテゴリー  : 産業・技術 > 材料技術


 セラミックス(Ceramics)
Ceramics(セラミックス)という英語は、粘土を焼き固めたものを意味するギリシャ語のKeramos(ケラモス)を語源としています。 もともとは陶磁器を、最近は耐火物、ガラス、セメントを含む非金属・無機材料をさして使用されることが多いようです。そのようなことから、現在では、セラミックスは、「非金属・無機材料で、その製造工程において高温処理を受けたもの」となります。

セラミックスの中でも、特にエレクトロニクス産業をはじめ、各種産業用途に用いられる磁器は高い性能や精度が要求されることから、現在では「ファインセラミックス」と呼んで、粘土や珪石などの自然材料から作られる一般の陶磁器と区別しています。ファインセラミックスは、「精選または合成された原料粉末」を用いて、「精密に調整された化学組成」を「よく制御された成形・焼結加工法」によってつくられた高精密なセラミックスということができます。

セラミックスの歴史は、大きく第一世代・第二世代・第三世代と分けて見ることができます。

● 第一世代のセラミックス
古代の土器に始まり、陶器・磁器などの焼き物の時代を第一世代と見ます。

土 器 : 縄文式・弥生式土器など。(焼成温度約800度)
陶 器 : 吸水性あり、透光性なし、厚く重く、たたくと鈍い音。
    (焼成温度約1100-1300度) 瀬戸焼・伊賀焼など。
磁 器 : 吸水性なし、透光性あり、薄く軽く、たたくと金属音。
    (焼成温度約1300度) 有田焼など。

● 第二世代のセラミックス
明治時代にドイツ人「ワグネル」を招き、日本近代セラミックス時代の幕が開きます。工業的にセラミックスを生産する時代。
日本は、江戸時代に発達させた陶磁器の技術がベースにあったため、急速にヨーロッパレベルに発展しました。
この時期のセラミックスとして代表的なものが「碍子」と「自動車用スパークプラグ」です。 なお、ドイツ人「ワグネル」は、東京職工学校(現在の東京工業大学)で窯業科を開設。

● 第三世代のセラミックス
セラミックスのうち、組成・組織・形状や製造工程を精密にコントロールし、新しい機能や特性を持たせたもの。 ニューセラミックス、ファインセラミックスと呼ばれる。

電気特性に優れた電子部品(エレクトロセラミックス)、 生体親和性を高めた人口骨(バイオセラミックス)、各種工業製品の中に組込まれる部品(エンジニアリングセラミックス)として工業的に安定的に生産される世代のセラミックス。 ファインセラミックスには、アルミナやジルコニア、炭化ケイ素、窒化アルミニウムなど、いろいろな種類があります。製造技術が進化し、使用する原料の種類や粒子の細かさ、焼き方などを変えることで、それぞれ違った特性を持たせることができます。
 ⇒ ファインセラミックス

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