Subject   : 黒茶(プーアル茶)

カテゴリー  : その他  


 黒茶(プーアル茶)
 黒茶は堆積させた生葉を加湿し、微生物を利用して発酵させるもので、製法による分類では後発酵茶に属する。微生物による長期間の発酵熟成は温度・湿度・環境(好気性発酵)など技術的に難しい管理を必要とするため産地は限られて、主に広西省・雲南省産が大部分を占めている。代表的な黒茶としてはプーアル茶がわが国でもよく知られている。

 産地によって微生物の種類も発酵方法も異なるため、味や香りも微妙に違っている。黒麹菌で長期間発酵熟成させた黒茶は、茶葉(鮮葉)中のカテキン類が低分子で3つの水酸基を持つ没食子酸エステルに変わるとともに、お茶特有のアミノ酸の一種テアニンが大量に生産されるので、タンニンの苦味は消え去り、まろやかな味わいを生じている。
 設備と管理のよいところで熟成期間3年以上経たものは成分構成の変化によりまろやかな風味を呈するとともに、カフェイン様作用が消滅しているので、夜の睡眠の妨げになるようなことはない。また、タンニンの渋みや収斂性も消失しているので、便秘傾向の人にも適しているといわれる。これらの事実は本草綱目拾遣や中薬大辞典にも収載され、3年を経たものを薬用とし、新しいものは火気があると記載されている。黒茶の特徴をまとめると、以下のとおりである。
  • 長期間の発酵塾生によりカテキンの渋みやカフェイン様作用が消失し、より有効な作用を持つ成分に変わっている。
  • テアニン等のアミノ酸が多くなり、口中をさっぱりさせ、飽きの来ない味と香りを持っている。
  • やかんや土瓶で煮出してポットに入れておくと、3日くらいはホットでもアイスでもおいしくいつでも飲めるので非常に便利である(保存性に優れている)。
  • 黒茶はダイエット茶として、体質に応じて適度のコレステロールや中性脂肪の吸収抑制作用が得られるといわれている。
  • 発酵により利尿作用のあるテオフィリン系の成分が多くなっており、水分代謝が促進される。

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