Subject  : 心不全

カテゴリー: 健康・医療情報 


 心不全
心臓の病気のために、心臓の働きが悪くなり、体全体に十分な血液を送ることができなくなった状態のことです。(病名ではありません)
心不全の症状は心臓の機能低下により、心臓が送出する血液の量が減少すると共に、心臓の後方(肺や動脈)に血液がうっ滞(うっ血)することにより生じます。

● 心不全の症状
  • 息切れが生じたり、呼吸が苦しくなります。
        ○軽症では・・・坂道歩行や階段での息切れ。
        ○中等症では・・歩行、入浴、掃除、炊事など日常生活の比較的軽い
                運動量でも生じる息切れ。
        ○重症では・・・安静にしていても息苦しく感じる。
                夜間、就寝後に突然、息苦しさが生じることがある。
                横になると息苦しさが増し、横を向いて寝ることが
                できなくなる。
                さらにひどくなるとピンク色のアワ状のタンがでる。
  • 手足や顔にむくみが生じ、体重が増加します。
  • 昼間の排尿回数や尿量が減少します。逆に夜間の尿量が増加することがあります。
  • 全身の倦怠感が強くなったり、運動時の動悸や疲労感が出現します。
  • 内蔵のうっ血や腹水たまることによる、食欲の低下、お腹が張る感じ、嘔吐などが生じます。
  • 寝汗をかく。 夜息苦しくて目が覚める。
  • 手足が冷たい感じ、手先・足先の色が悪くなる、冷たい汗をかくなどの症状が出現し、ひどいときは意識の障害も出現します。

● 心不全の原因となる心臓の病気
心臓の病気 メモ
高血圧性心臓病 高血圧が長年続いたために、心臓が肥大し、機能の低下をきたしたもの
心臓弁膜症 心臓の弁が狭くなったり、弁の逆流を生じたもの。
心筋梗塞症 心臓の栄養血管(冠状動脈)がつまることにより、心臓の筋肉の一部に壊死を生じたもの
心筋症 心臓の筋肉が肥大したり、変性したもの
心筋炎・心膜炎 ビールスや細菌の感染により心臓の筋肉や心臓を包む心膜に炎症を生じたもの
先天性心臓病 心臓に生まれつき欠陥があるもの
不整脈 特に高度な頻脈や徐脈をきたしたもの
肺性心 肺の病気のために、心臓に負担がかかり心臓の異常を来したもの


● 左心不全
左心室の収縮力低下は、肺うっ血を引き起こし、これが原因となって肺がむくみ呼吸困難となる。呼吸困難は労作時の軽い息切れから、夜間突然胸が苦しくなって目が覚め座ると楽になるもの、起座呼吸や喘鳴を伴うもの、さらに激しい呼吸困難を伴う肺水腫までいろいろある。左心不全は心筋梗塞の発作後にしばしばみられ、狭心症・高血圧・心筋疾患などにもみられる。また、発作のかたちで出現するものを急性心不全といい、徐々に運動能力の低下としてあらわれる場合を慢性心不全という

● 右心不全
右室の収縮力が低下すると静脈還流がうっ帯し、静脈圧が上昇する。これは、肝臓のうっ血や毛細血管内圧の上昇に伴う組織への水分の貯留、すなわち浮腫を引き起こす。つまり、右心不全の主症状は浮腫であり、特に下肢が腫れる。浮腫が高度になれば全身に及ぶことがしばしばあるが、身体の下部に著名である。肝臓のうっ血はしばしば肝肥大としてあらわれ、それに伴って右上腹部の痛みとなる。

● うっ血性心不全
左心不全の主体は肺のうっ血であるが、右心不全は静脈のうっ血であり静脈内圧が高いのが特徴である。このように臓器にうっ血をきたすためにうっ血性心不全(congestive heart failure)ともよばれる。
 ⇒ 病気になったらまずチェック

[メニューへ戻る]  [カテゴリー一覧]  [HOMEへ戻る]