Subject  : 静脈瘤

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 静脈瘤
静脈血は動脈血に較べると、圧も低く、速度も遅いので静脈壁は薄く、拡張しやすいのです。そのため、血液うっ滞が原因となり局所的に瘤状に拡張し、静脈瘤とよばれています。
正式には“下肢一次性静脈瘤”といいます。足の静脈瘤には“ 静脈血栓症”から生じる二次性静脈瘤と、長年の立ち仕事などや妊娠などの生活習慣から生じる一次性静脈瘤があります。
表在静脈の壁のぜい弱さが主な原因だろうと考えられます。このぜい弱さは遺伝するようです。時がたつにしたがって弱い静脈は弾力性を失っていきます。そのような静脈は伸びて長く広くなり、正常なときと同じ空間に収まるためには、伸びた分を巻きこまなくてはなりません。これは皮膚の下にヘビがとぐろを巻いているようにみえます。静脈瘤は妊娠中にしばしばみられますが、出産後間もなく解消します。
静脈の拡張は弁尖を引き離す原因となります。弁尖が引き離された状態では、起立時に重力の作用によって起こる血液の逆流を止めることができなくなります。その結果、血液が逆流して静脈内に急速にたまります。血液の逆流は、壁が薄くなって蛇行している静脈をさらに拡張させます。正常なら表在静脈から深部静脈へ血液を送る連結静脈の一部も拡張することがあります。これらの静脈が拡張すればその弁も引き離され、筋肉が深部静脈を圧迫するたびに血液が逆に表在静脈内へ噴出して、表在静脈はさらに伸びてしまいます。

 【症状】
 静脈瘤の症状で、1番目におこりやすいものは、主に足の内側に生じる表面の静脈の怒張です。その形は細い静脈からなる輊クモの巣状”のものから、4〜5mm程度に拡張した静脈からなる“分節状”の静脈瘤など4段階程度に分けられています。
 2番目の症状としては、足の主にふくらはぎにおこる筋肉のうっ血症状で、だるさや夜間のこむら返りなどがあります。
 3番目の症状としては、ひふのうっ血症状で、かゆみ・はれ・足のしみなどや、治りにくい傷“潰瘍(かいよう)”をつくったりします。
 特殊な症状としては怒張した静脈に血の固まりができて、痛みを生ずる“血栓性静脈炎”をおこしたり、深い静脈にのびて“深部静脈血栓症”をおこしたりすることもあります。

 【治療法】
 静脈瘤は良性の病気なので、その方に応じた治療法を選択すればよいと思われます。治療の方法としては主に3種類あり、“圧迫療法”・“硬化療”・“手術療法”に分けられます。
圧迫療法
 足のうっ血症状をとるために弾力ストッキング(男性用はソックス)を使用いたします。使用することによって、だるさやこむら返りといった症状が楽になります。
 欠点としては夏暑いことや、かゆみがでることがあります。
硬化療法
 うきでた静脈輊瘤軫を注射でつぶす方法です。外来で通院治療が可能です。欠点としては血栓性静脈炎をおこしたり、しみがついたりすることがあります。次の高位結紮術という方法とともにした方が、高い効果があるといわれています。
手術療法
 外来通院で行える高位結紮術と、入院が必要ですが根治療法となる静脈抜去術があります。

弾性ストッキングは静脈を圧迫することにより、静脈が伸びたり傷ついたりするのを防ぎます。
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