Subject  : 脳の検査

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 脳の検査
CTでは解剖学的な情報が得られ、MRIではさらに脳の中の水の動きや血流など組織の機能的変化がとらえられる、といえます。現在、乳酸など脳内のさまざまな化学物質の変化を映像としてとらえる、MRS(磁気共鳴スペクトロスコピー)という新しい装置も開発されています。またSPECT(単光子放出コンピューター断層撮影)やPET(陽電子放出断層撮影)という装置を使えば脳の血流や代謝の状態を画像で見ることもできます。

血管造影という検査方法があります。太ももの付け根からカテーテルという管を通して造影剤を脳の血管に注入、血管内を移動する造影剤をエックス線で撮影します。血管が脳内を走っている様子がはっきりと分かるので、狭窄や塞栓の程度、破裂動脈瘤や脳動静脈奇形の位置や形などが分かります。ただし、まれに検査をすることで出血や梗塞を引き起こしてしまう危険もあり、その実施は慎重にすべきです。

● CT(コンピューター断層撮影)
 CT(コンピューター断層撮影)は、エックス線を使って脳を輪切りにして観察する装置です。かつてのCTでは、脳出血は診断できましたが初期の梗塞はできませんでした。それが最近、技術が進歩して発作直後の梗塞も診断できるようになりました。また、輪切り像だけでなく、スパイラル状に撮影して血管を立体的に描き出すCTも開発されました。

● MRI(核磁気共鳴映像法)
磁気を使ったMRI(核磁気共鳴映像法)は、CTに比べて自由な角度の断面の映像が得られ、CTでは分からない細い血管の梗塞や脳深部の異常も観察できるという優れた特徴があります。最近ではさらに、脳内の血管を立体的に見せるMRA(核磁気共鳴血管造影)も実用化され、血管の狭窄や閉塞状態まで分かるようになりました。また、僧帽弁膜症などで心臓内に血栓がある場合などは、超音波検査を行うことでその位置が分かります。

● PET(ポジトロンCT)
PETとは、ポジトロンCT(陽電子放射断層撮影)検査のことです。
PET検査はFDGと呼ばれるブドウ糖によく似た物質を利用して行われています。癌の多くは、ブドウ糖をたくさん取り込む性質があるため、FDGを投与するとブドウ糖の代わりにそれが癌に取り込まれます。癌に取り込まれた場所を画像にして診断するのがPET検査です。

● 脳波
てんかんの診断には不可欠で外傷後遺症や脳腫瘍、脳血管障害の経過観察に役立ちます

● 超音波
頸動脈〔けいどうみゃく〕の血流を調べるのに用いられ、血流の速さ、血流の量そして血管の太さの正確なデータが得られるので、一過性脳虚血などの診断に用いられます。超音波検査による第三脳室のゆがみから、脳腫瘍や脳出血や外傷性頭蓋内血腫の大きさも推定できます。

● 脳シンチグラフィー
腫瘍内に取り込まれた放射性同位元素や、脳梗塞による血行動態を検出するのに役立ちます。
 ⇒ 検査値の見方

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