Subject  : エルシニア・エンテロコリティカ感染症

カテゴリー: 健康・医療情報 


 エルシニア・エンテロコリティカ感染症
 エルシニア・エンテロコリティカ感染症とは細菌感染を原因とする人獣共通 感染症の一つです。

 エルシニアは、腸内細菌科のエルシニア属に属するグラム陰性桿菌で、ヒトに対して病原性が確立しているのは、Yersinia enterocolitica(以下Y.ent)と、Yersinia pseudotuberculosis(以下Y.pstb)、Yersinia pestis(ペストの原因菌)であるが、ペストは今や絶滅しているので一般にエルシニア感染症とはY.entとY.pstb感染症をさしている。
腸内細菌科Yersinia属に属するグラム陰性通性嫌気性桿菌であるYersinia enterocolitica感染を原因とする。本菌はほとんど全ての哺乳類、鳥類に感染する。 本菌は1939年にヒトの腸炎患者から初めて分離された。ヒトに対して病原性を示す株は豚、犬、猫に高頻度に分布し、直接あるいは食品を介して経口感染を起こす。低温でも増殖可能であるので冷蔵食品を汚染する恐れがある。

 【症状と診断】
 発熱、嘔吐、腹痛、下痢、腸炎、咽頭痛 を主徴とする。

 ウイダール反応に準じた凝集反応により抗体を検出する。CIN寒天培地で赤色コロニーを形成する。

 【治療】
 アミノグリコシド系抗生物質が有効。
 【感染経路】
 感染源は ブタ肉などの食肉。 ブタやウシなどの家畜が保菌し、汚染された食肉や牛乳・水などを通じて経口感染する。発症するのは小児が多く、腹痛や下痢・発熱などを起こす。多くは自然に治るが、まれに敗血症を起こすなど重症化し、死亡するケースもある。感染すると血中に細菌が混入するため、輸血によっても感染する。海外では死亡例が報告されている。5℃以下でも増殖するため、低温保管された血液からも感染する恐れがある。
 ⇒ 人獣共通感染症

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