Subject  : 糖尿病の診断と治療

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 糖尿病の診断
高齢になると糖尿病になりやすいので、毎年定期的に血糖値を調べることは中高年にとって特に重要です。特に2型糖尿病では本人が糖尿病に気づきません。激しいのどの渇き、排尿、空腹感あるいは頻繁な感染症といった症状、あるいは糖尿病に関連する合併症の徴候がある場合は血糖値を測定します。

血糖値の測定は、通常、前夜から絶食して採血しますが、食後に採血することもあります。食後の血糖値がある程度上昇するのは正常ですが、高すぎるのはよくありません。空腹時血糖値は126mg/dLより高くなってはいけません。食後でも200mg/dLより高くなるのは好ましくありません。 医師は血中タンパク質のヘモグロビンA1C(グリコヘモグロビン)も測定します。この検査は、成人で血糖値が少しだけ上昇している場合、診断の確定に最も役立ちます。

そのほかに血液検査としては、経口ブドウ糖負荷試験があります。この検査は糖尿病の検査としてだれにでも広く行うものではなく、妊娠している女性で妊娠性糖尿病の疑いがある、あるいは糖尿病の症状がある高齢者で空腹時の血糖値が正常である、などの特定のケースを対象に行われます。しかし、この試験は糖尿病の検査としていつも同じように役に立つとは限りません。この検査では、まず絶食状態で採血し、空腹時血糖値を測定します。次に、標準量の多量のブドウ糖を含む特殊な溶液を飲み、2〜3時間後に再度採血し、その結果から摂取したブドウ糖に対して血糖値が異常に高くないか判断します。
 糖尿病の治療
糖尿病の治療は食事療法、運動療法、患者本人への教育、そして多くの場合、薬物療法が行われます。糖尿病の人は血糖値を厳しくコントロールしていれば、合併症が起こりにくくなります。糖尿病治療の目標は、血糖値をできる限り正常範囲に維持することです。高血圧と高コレステロールの治療は糖尿病の合併症の治療にもなります。低用量のアスピリンを毎日服用することも役に立ちます。
1型糖尿病で健康的な体重を維持できる人は、大量のインスリンを必要とせずにすみます。2型糖尿病では健康的な体重を維持することで薬物療法の必要がなくなります。一般的に、糖尿病の人は甘いものを食べすぎてはいけません。また、食事と食事の間を長く空けないように、食事は規則的に摂取するようにします。糖尿病の人は血液中のコレステロール値が高くなる傾向があるので、食事の飽和脂肪酸量を制限することが大切です。血液中のコレステロール値を制御する薬も必要です。
適度な運動も体重のコントロールに役立ち、血糖値を正常範囲に維持します。

1型糖尿病の人の大半はインスリン療法が必要です。2型糖尿病でも同様に多くの人がインスリン療法を必要とします。インスリンは通常、注射されます。それはインスリンが胃で破壊されるため、経口では服用できないからです。現在は、鼻腔スプレーや経口で服用できる新しい剤形も試用されています。 2型糖尿病では、経口血糖降下薬で血糖値を十分に下げることができます。

● 食事管理
食事管理はいずれのタイプの糖尿病の人にも非常に重要です。健康的な栄養バランスのとれた食事と健康的な体重を維持するように勧められます。栄養士に最適な食事プランを作成してもらうことも有益です。
● 低血糖に注意
血糖値が高くなりすぎないようにするのは、容易ではありません。血糖値を厳密にコントロールするのが難しい主な原因は、血糖値が低くなりすぎることがあるからです(低血糖)。低血糖の治療は緊急を要します。後遺症を防ぎ症状を回復させるには、数分以内に糖を投与しなければなりません。ほとんどの糖尿病の人は、糖分を摂取します。糖の種類は問いませんが、ブドウ糖は食卓用の砂糖(一番多いのはショ糖)よりも速く作用します。糖尿病の人はブドウ糖の錠剤やブドウ糖入り溶液を携帯します。このほかに、コップ1杯の牛乳(糖の1種である乳糖を含む)、砂糖水、果物のジュースなどを飲んだり、ケーキ1切れ、果物、何か甘いものを食べるのも有効です。さらに重篤な状況では、救急の医療専門家にブドウ糖を静脈注射してもらう必要があります。

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