Subject  : 高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)

カテゴリー: 健康・医療情報 > 薬学 


 高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)
 高流量鼻カニュラ酸素療法(High-flow nasal cannula; HFNC or High-flow nasal oxygen; HFNO)は、呼吸補助のための高流量酸素システムの一種である。加温・加湿した一定濃度の酸素を、鼻カニュラ(鼻腔カニューレ)を介して高流量で投与する。投与されるガスは、人体の温度(37℃)に加熱され、相対湿度100%を目標に加湿される。急性および慢性の呼吸不全に使用される。ネーザルハイフロー療法とも呼ばれる。

高流量鼻カニュラ酸素療法(HFNC)は、 非侵襲的陽圧換気法 (NPPV)マスクの装着や 気管挿管 をせずに、通常の酸素供給療法よりも高い吸入酸素濃度(FiO2)を患者に供給することができる。 NPPVや気管挿管による人工呼吸と異なり、鼻からガスを送り込むため、使用中に患者は会話や食事が可能であり、生活の質(QOL)が維持できることが大きなメリットといえる 。 また、吸気すべてを機械から供給できるため、リザーバー付きマスクや通常の鼻カニュラと比較して正確な吸入酸素濃度(FiO2)を維持できる 。 その他、吸気が加熱・加湿されることによる利点として、気道粘液の水分量が増加し、分泌物の排泄(クリアランス)を促進して気管支粘膜症状の発現を減少させることが挙げられる 。

 ● ハイフローセラピー
  ネーザルハイフローは、ウイルスに冒されるなどして肺の機能が落ちた患者が、鼻に差し込んだ専用の管(カニュラ)を通して大量の酸素を吸入する治療法だ。酸素と、室内の空気を混ぜ合わせ、1分あたり30〜40リットルの多量の気体を鼻から送り込む。肺に酸素が安定的に届き、十分に吐き出せない二酸化炭素を排出するなど、人工呼吸に近い効果が期待できる。

 ⇒ 酸素療法に用いるデバイス

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