Subject  : 酸素濃縮装置

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 酸素濃縮装置
 酸素濃縮装置は、医療用酸素を作り出す装置で、空気中に含まれる酸素を濃縮します。空気は、約78%の窒素と約21%の酸素およびその他微量のガスで構成されており、その中から窒素を除去する処理を行うことで酸素を90%以上濃縮した混合ガスを作り出すことができます。それにはいろいろな方法がありますが、一般的に利用されるのはゼオライトという、圧力を加えると窒素を吸着する特性を持つ鉱物です。酸素濃縮装置の中にゼオライトを設置し、加圧して窒素を吸着させることで高濃度の酸素を作り出した後、窒素を排出して再び吸着できるようにします。最大7リットル/分までの流量を供給できます。

近年では、外出や旅行用により持ち運びやすくバッテリーも搭載された携帯型の酸素濃縮装置も登場しています。酸素を吸入する器具としては、簡便で圧迫感や閉塞感がない鼻カニュラが一般的です。同装置は在宅医療機器として広く活用されています。

酸素濃縮装置は、主に慢性呼吸不全、肺高血圧症、慢性心不全、群発頭痛などの患者が自宅で酸素を吸入する在宅酸素療法(HOT)のために使われています。約17万人の患者が利用し、その中でも慢性閉塞性肺疾患患者の占める割合が多いとされます。1985年に保険適用の対象となり、在宅でも酸素療法が可能となりました。そして現在、新型コロナウイルス感染症の流行により中等症以上の患者に対する呼吸管理として使用されています。

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 ⇒ 酸素療法に用いるデバイス

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