Subject  : クロロキン(chloroquine)

カテゴリー: 健康・医療情報 > 薬学 


 クロロキン(chloroquine)
 クロロキン(chloroquine)は抗マラリア剤のひとつ。マラリアの治療もしくは予防のために用いられる。1934年にドイツで最初に合成された。

現在ではクロロキンに耐性を持つマラリア原虫が出現している。そのためクロロキン単独で用いることはあまりなく、他の薬剤と併用されることが多い。

ドイツでは合成に成功したものの毒性の強さから実用化を断念した。しかし1943年にアメリカ合衆国で独自に開発し、抗マラリア薬として発売した。

M.D.アンダーソンがんセンターの研究グループによると、休眠状態のがん細胞をクロロキンでオートファジー(がん細胞の自食作用のスイッチ)を遮断したところ、癌細胞の再成長が阻害されたとの報告がある。

 ▼ 副作用
 クロロキン網膜症。

 ■COVID-19に対する効果
 2020年6月15日、米食品医薬品局(FDA)は、クロロキンとヒドロキシクロロキンは、新たな研究結果から「新型コロナ治療に有効な可能性は低い」ことが判明したので、心疾患関連の有害事象や他の深刻な副作用を考慮して、新型コロナウイルス感染症治療での緊急使用許可(EUA)を撤回すると発表した。さらに、両薬がレムデシビルの効果を弱める可能性を示すデータが得られたとし、レムデシビルと併用しないよう警告した。
 ⇒ 開発中のCOVID-19の治療薬

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